ガザへ向かう支援船、イスラエル軍が拿捕
(CNN) イスラエル軍は26日、パレスチナ自治区ガザ地区に向かっていた支援船「ハンダラ号」を目的地の70カイリ(約130キロ)以内の海域で拿捕(だほ)した。
「自由船隊連合(FFC)」の広報担当者はCNNに、イスラエル軍がカメラを停止させ、全ての通信手段を遮断したと述べた。
「ユーチューブ」のライブ配信には、武装した兵士が船に乗り込み、甲板にいた活動家たちは救命胴衣を身に着け、両手を挙げて降伏を示す様子が捉えられていた。ヘルメット姿の兵士の一人が配信カメラの向きを変える様子も確認され、その後まもなく配信は終了した。
イスラエル外務省はSNS「X(旧ツイッター)」で声明を出し、イスラエル海軍がガザ沿岸の海域に違法に侵入しようとした「ナバーン号」(ハンダラ号の旧名)を停止させたと発表した。
外務省は「船は現在、安全にイスラエルの海岸に向かっている。乗船者は全員安全だ」「封鎖を無断で突破しようとする行為は危険で違法であり、進行中の人道支援の取り組みを損なうものだ」と述べた。
「ハンダラ号」は、パレスチナの漫画キャラクターにちなんで名付けられた船で、これまで何度もイスラエルの海上封鎖を破ってガザに支援物資を届けようとしてきたFFCの船舶の一隻。
FFCによれば、今回の航行にはフランス議会と欧州議会の議員2人のほか、米国の労働組合活動家も乗船していた。
FFCはライブ配信の終了後に出した声明で「非武装の船は、命を救う物資を積んでいたが、イスラエル軍に拿捕され、乗員は連行され、積荷は押収された」と非難。物資には「乳児用ミルク、おむつ、食料、医薬品」が含まれていたという。
FFCの別の船「マドリーン号」も約1カ月前、同様にガザに向かう途中で拿捕されていた。マドリーン号には気候変動活動家のグレタ・トゥーンベリ氏らが乗っており、イスラエル当局がアシュドッド港に船を曳航(えいこう)した後、乗員全員を国外退去させていた。