ガザ停戦協議の米代表団が引き揚げ 特使「ハマスの回答に不満」
(CNN) イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議を仲介しているトランプ米政権のウィトコフ中東担当特使は24日、ハマスの回答が不十分だとして、カタールの首都ドーハに派遣していた米国の代表団を引き揚げると発表した。
ウィトコフ氏はハマスの回答は「パレスチナ自治区ガザ地区における停戦への意欲が明らかに欠如している」と指摘し、米国が人質解放などのために代替案を模索することを明らかにした。
ウィトコフ氏はガザ停戦の協議のために欧州入りしていたが、ハマスの回答を受けて米代表団の帰国を決めた。同氏はX(旧ツイッター)で「ハマスが身勝手な行動を取ったことは残念」と非難しつつ、ガザ停戦と恒久的な平和を求める姿勢を改めて示した。
複数の情報筋はこれまで、停戦協議について楽観的な見通しをほのめかしていたが、今回のハマスの回答で協議は暗礁に乗り上げた格好。
ガザでは現在、食料など人道物資の搬入がイスラエルにより阻まれているため、餓死する人が続出しており、極めて厳しい状況が長引く恐れがある。
ガザと協議しているイスラエルの交渉団もカタールから引き揚げた。ただし、イスラエルの情報筋はこれより前に、交渉団の引き揚げは協議の崩壊を示すものではないと述べた。
協議に詳しい別の当局者はハマスの回答について「前向きなもの」との認識を示していた。イスラエルとハマスの主張には依然として隔たりはあるものの小さくなりつつあり、合意できる可能性があるとの楽観的な見方が強まっているとしていた。