フーシの攻撃により紅海で船舶沈没 3人死亡、10人救助
(CNN) 海洋安全保障を担う欧州連合(EU)の部隊によると、イエメン近海で同国の反政府組織フーシから攻撃を受けた船舶が沈没し、紅海から10人が救助された。
フーシは船舶への攻撃後、乗組員の何人かを非公開の場所に連れて行ったと述べた。海上安全情報筋がロイター通信に語ったところによると、フーシは6人の乗組員を拘束している模様。フーシが紅海で商船を狙う事態が発生したのは今週に入って2度目となる。
紅海で海洋安全保障活動を展開するEUの海軍部隊アスピデスはCNNの取材に答え、この攻撃で乗組員25人のうち3人が死亡したと明らかにした。
同部隊によると、船の乗組員はフィリピン人21人とロシア人1人の計22人。これに加え、3人の警備チームも乗船していたという。
9日から10日にかけて海中から救助された10人のうち、8人はフィリピン人の乗組員で、残りの2人はギリシャ人とインド人の警備要員だった。同部隊が明らかにした。
当該の船舶は、ギリシャ企業が運航するリベリア船籍の商業ばら積み貨物船「「エタニティーC」。英国海事貿易業務局(UKMTO)によれば、同船はフーシの小型船から複数のロケット砲で数日間攻撃を受け、9日午前に沈没したという。
イランの支援を受け、イエメンの大部分を支配するフーシは9日の声明で攻撃を認めた。イスラエルのエイラト港に向かったとされるエタニティーCを「無人艇と6発の巡航ミサイル及び弾道ミサイル」で攻撃したとしている。船舶は「完全に沈没」し、フーシの戦闘員が乗組員の何人かを救助。医療処置を施した後、非公開の場所に運んだと主張した。
米国の在イエメン大使館はフーシが乗組員を誘拐したと非難し、即時解放を求めた。
フーシが公開した動画には、ロケット弾攻撃を受けた船舶が激しく損傷し沈没する様子が映っている。映像には、フーシが船舶の乗組員の安全を保証する事前の無線通信も含まれている。
フーシによる船舶の沈没は、貨物船「マジックシーズ」への6日の攻撃で乗組員が船舶を放棄したのに続き、今週2件目。フーシはイスラエルと関係があると主張する船舶を繰り返し標的にしており、イスラエルがガザでの軍事作戦を終了するまで続けると宣言している。