ハマスの攻撃で複数の支援要員が死亡 ガザ人道財団が発表
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で11日夜にバスが襲撃され、人道支援に携わる複数の職員が死亡した。米国が支援する「ガザ人道財団(GHF)」は、イスラム組織ハマスが襲撃を行ったと非難している。
ハマス側はまだこの疑惑に反論していない。
米国とイスラエルが支援するGHFは現地時間の午後10時前後、20人以上のメンバーを乗せたバスがハマスに襲撃されたと発表した。
「少なくとも5人の死者と複数の負傷者が出ており、メンバーの何人かが人質に取られた可能性がある」と、GHFは声明で述べた。
GHFによると、これらのメンバーはガザ南部ハンユニスの西にある配給所に向かう途中だった。詳細が判明次第、報告するとした。
「我々は、この凶悪かつ意図的な攻撃を最も強い言葉で非難する」と、GHFは声明で述べた。またハマスがここ数日、同組織を繰り返し脅迫しているとも非難した。
8日、ハマスのメディアは自分たちの戦力について「敵の計画に協力するいかなる組織や個人に対しても、また法とわが民族の伝統に違反するならず者、犯罪者、裏切り者と連携するいかなる主体に対しても、断固として攻撃する全権限と使命を持っている」と述べていた。
GHFは、ハマスがガザで支援物資を盗み、その売却で利益を得ているというイスラエルの非難の中で設立された。しかし同組織は当初から物議を醸し、複数の国際援助機関から批判を受けてきた。
主な支援団体や国連機関は、GHFが人道原則に従っていないなどとして協力を拒んでいる。配給所がガザ南部に限られていることについても、イスラエル軍の狙いは北部からの住民排除にあるとの懸念が強まっている。
国連のトム・フレッチャー事務次長(人道問題担当)は今月、国連安全保障理事会でGHFについて「援助を政治的・軍事的目的のための条件とし、飢えを交渉材料にしている」と強く批判していた。