支援物資の配布拠点近くで発砲、死者31人に ガザ地区
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で1日に米国主導の「ガザ人道財団(GHF)」が運営する支援物資配布拠点近くで発砲があった件で、支援物資を求めて集まったパレスチナ人の群衆が銃撃を受け、少なくとも31人が死亡した。パレスチナ保健省や病院当局者が明らかにした。
イスラエル軍は、支援拠点の付近や内部で市民に向けて発砲していないと述べた。だが、イスラエル軍の情報筋は、拠点が開く前に、約1キロ離れた場所にいた人物に向け発砲したことを認めた。
今回の銃撃は、イスラエルによる数カ月に及ぶガザ封鎖が続く中、GHFの配布拠点で支援物資を受け取ろうとしていたパレスチナ人が死亡した一連の事案の最新例となった。GHFは国連などから、パレスチナ人の避難民をさらに増やし、民間人を危険にさらす恐れがあると批判されている。
複数の目撃者がCNNに語ったところによると、銃撃は南部ラファのGHFが管理する拠点から約800メートル離れたロータリー付近で発生したという。
保健省によると、病院には重傷者を含む200人超が搬送された。死亡した全員が頭部または胸部を撃たれていたという。赤十字国際委員会(ICRC)は、隣接する仮設病院に女性と子どもを含む179人が運ばれ、このうち21人は到着時に死亡が確認されたと発表した。
パレスチナ赤新月社(PRCS)の救急隊員によると、数千人のパレスチナ人が同日未明、開場前の拠点にいち早く並ぼうと現場に向かっていた。PRCSは銃撃発生時に現場で活動していた唯一の医療団体だったという。
現場で活動していた医療関係者の1人はCNNに対し、誰が発砲したのか特定することは不可能だとした上で、「この配布区域の警備はイスラエル軍が全面的に担っている。彼らが撃ったにせよ、彼らのために働く者が撃ったにせよ、責任はイスラエル軍にある」と語った。
CNNは発砲の責任者を独自に確認できていない。イスラエルは国際メディアのガザ入りを認めていない。
イスラエル軍は、ガザの住民が食料配給所の付近や内部でイスラエル兵に発砲されたとの「報道は虚偽だ」と述べた。声明によれば、「予備調査の結果、イスラエル軍は人道支援物資配給所の付近または内部にいた民間人に発砲しておらず、そのような報道は誤りであることが判明した」と述べた。
イスラエル軍の情報筋によれば、イスラエル軍は配給所が開く数時間前、配給所から約1キロ離れた地点で、陣地に接近してきた不審者に対し警告射撃を行ったという。