グレタ・トゥンベリさんら乗せた船のガザ到達、軍に阻止を指示 イスラエル国防相
(CNN) イスラエルは8日、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんをはじめとする活動家が乗った援助船がパレスチナ自治区ガザ地区へ到達するのを阻止すると表明した。
8日夜現在、英国船籍の民間船「マドリーン」号は地中海のエジプト北方を航行し、ガザ地区沿岸へ徐々に接近している。この船は、イスラエルによるガザ封鎖に反対し、船で封鎖解除を試みてきた組織「自由船隊連合(FFC)」に所属する。
トゥンベリさんは7日、CNNに対し、「これは非常に危険な任務であり、このような船隊が以前、攻撃や暴力を受け、死者も出たことは分かっている」と語った。「しかしもちろん、これらのリスクは、パレスチナの人々が日々、生き延びようとするだけで直面しているリスクに比べればはるかに小さい」
イスラエルのカッツ国防相は、マドリーン号がガザ地区に到達することはないとの考えを改めて表明。声明で「『マドリーン』号がガザに到達しないよう、イスラエル国防軍に指示した」と述べたうえで、「引き返した方がいい」と警告した。
FFCの主催者は7日、トゥンベリさんとマドリーン号は、翌日中にガザに到着する予定だと語った。同組織はイスラエルによるガザ封鎖の解除に向け、過去にも複数回ガザへの到達を試みている。
乗組員はオンライン追跡システムで船の位置を公表し、イスラエル軍による妨害の可能性に備え始めた。
乗組員の中には、フランスの欧州議会議員リマ・ハッサン氏や「ゲーム・オブ・スローンズ」で知られる俳優リアム・カニンガムさんも含まれる。
FFCは声明で「法的にも道徳的にも、イスラエルにはこの船を妨害する権利はない」と訴えた。「包囲下で飢えに苦しみ、絶滅の危機にひんしているガザの人々は、自らの領土に誰が入るかを決める法的権利を持っている」