イスラエル軍、レバノン首都南郊を空爆 イスラム教祭日控え住民パニック
(CNN) イスラエル軍は5日、レバノンの首都ベイルート南郊でイスラム教シーア派組織ヒズボラの「ドローン工場」を空爆したと発表した。ベイルートからは巨大な黒煙が立ち上る様子が見えた。昨年11月に米国の仲介でイスラエルとヒズボラの停戦合意が成立して以来、最大規模の攻撃だった。
イスラエル軍は、ベイルートの南郊ダヒエにある「ヒズボラ航空部隊(127)のテロ標的」を空爆していると発表した。
NNAニュースは、イスラエルがベイルート南郊をドローンで7回以上攻撃したと報道。イスラエルのドローンによる空爆は、レバノンの別の地域でも行われたと伝えている。
レバノン公衆衛生省は6日未明、現時点で今回の攻撃に関連した死傷者は報告されていないとCNNに語った。
イスラエル軍は先に、ヒズボラの「地下UAV(無人機)製造施設」を標的とする攻撃を行うと予告。5日にSNSを通じて住民に即刻退避を呼びかけていた。
NNAによると、この予告を受けて住民はパニック状態で避難を開始した。SNSに投稿された5日夜の動画には、ベイルート南部から避難する住民の車列が映っている。
今回の攻撃は、イスラム教の祭日「イードアルアドハー(犠牲祭)」を6日に控えたタイミングで行われ、イスラム教徒が5日夜に祝う前夜祭と重なっていた。
レバノンのジョセフ・アウン大統領とナワフ・サラム首相はこの攻撃を非難。アウン大統領は「国際協定および国際人道法や決議に対するあからさまな違反」と位置付けた。
これに対してイスラエルのイスラエル・カッツ国防相はXの投稿を通じ、停戦違反とイスラエル国家に対するテロ阻止の責任はレバノン政府にあると反論。「今後も一切の妥協なしに停戦ルールを執行する」と強調した。