イラン最高指導者、核協議めぐり米国を非難 ウラン濃縮継続を明言
(CNN) イランの最高指導者ハメネイ師は4日、イランの核開発をめぐる協議で米国が示した提案を非難し、ウラン濃縮を継続する方針を強調した。
ハメネイ師はイランの首都テヘランで開かれたイラン革命指導者、故ホメイニ師の命日の追悼式で発言した。
ハメネイ師は「米国の第一声は『イランは核産業を持たず、米国に依存せよ』というものだ」と指摘し、イラン側としては核開発をめぐり米国に何ひとつさせることはないと語った。
米国は先に、イラン側に核開発をめぐる提案を送付した。CNNの取材によると、この案には、米国がイランの民生用原子力発電計画に投資し、低濃縮ウランをイラン国内で一定期間管理するコンソーシアム(事業体)に参加することが含まれる見通し。この枠組みには中東諸国や国際原子力機関(IAEA)が加わるとみられる。
ハメネイ師は、イランの核計画に関して米国に「青信号も赤信号も出させない」とし、「国家の独立」を強調した。
イラン高官はCNNに対し、米国の提案は支離滅裂で非現実的であり、要求が過大だと語った。
米国のトランプ大統領は2日、SNS「トゥルース・ソーシャル」に「われわれの合意ではウラン濃縮を一切認めない」と投稿し、提案内容との食い違いを見せた。
イランと米国は5月23日、ローマで5回目の核協議を終えたが、イランでは合意成立に懐疑的な見方が広がる。米政府高官は当時、双方が「近く再協議することで一致した」と説明していた。