ウクライナで戦闘参加のロシアの元軍人、ロシア国内での爆発で死亡 当局発表

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爆発で死亡したザウル・アレクサンドロビチ・グルツィエフ氏(34)/Telegram

爆発で死亡したザウル・アレクサンドロビチ・グルツィエフ氏(34)/Telegram

キーウ(CNN) ロシア国内で副市長を務め、ウクライナでの戦争でも功績があった元軍人が29日未明、ロシア南部で起きた爆発により殺害された。当局が明らかにした。

ロシア国営メディアによれば、死亡したのはザウル・アレクサンドロビチ・グルツィエフ氏(34)。もう1人の男性と共に、スタブロポリの街路で発生した爆発に巻き込まれた。爆発は「手製の爆破装置を使って起こされた」と、捜査員らは述べている。

ロシア連邦捜査委員会は29日の声明で、現場検証を行っていると説明。必要な捜査活動を実施して事件に関するあらゆる状況の解明に取り組んでいるとした。

ネット上や国営メディアに流れた映像には、爆発の瞬間が映っている。爆発はグルツィエフ氏が別の男性と暗い街路で出会うまさにその時に起きている。付近には駐車された車列が確認できる。

爆発の後、映像は地面に横たわるグルツィエフ氏を捉えているように見える。もう1人は爆発によって後方に体勢を崩している。

スタブロポリの爆発でグルツィエフ氏と共に死亡した男性は、現場近くの建物に部屋を借りていた。緊急要員が国営メディアのタス通信に明らかにした。

地元の州知事はSNSのテレグラムに投稿し、ウクライナに絡んだ「組織的なテロ攻撃」を含めあらゆるパターンを考慮に入れていると述べた。

グルツィエフ氏は、プーチン大統領が立ち上げた元軍人向けのプログラムの対象者だった。このプログラムを通じ、ウクライナでの戦争に従軍した人物らは行政部門の役職に登用されている。

プログラムのウェブサイトによれば、グルツィエフ氏は「比較的若い年齢にもかかわらず、マリウポリ解放作戦で航空部門を主導」。同氏の開発・導入したミサイル技術が敵側の供給基地などを攻撃する際の精度や効率性の向上に寄与したという。

ロシア軍は2022年、86日間の凄惨(せいさん)な包囲戦の後、港湾都市のマリウポリを制圧した。同市を巡る攻防は、ロシアによるウクライナへの全面侵攻後に行われた最も激しい戦闘の一つとされる。

グルツィエフ氏以前にも、この1年でロシア国内では多くのロシア軍人が殺害されている。先月にはロシア当局が「ウクライナの特殊機関要員」1人をテロの罪で訴追した。この「要員」は、ロシア軍の将官ヤロスラブ・モスカリク氏が死亡した車両の爆発事件に関連して拘束されていた。モスカリク氏はロシア軍参謀本部作戦総局の次長を務めていた。

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