イスラエル、米国のガザ停戦案を受け入れ 人質解放と60日の停戦
(CNN) イスラエルは29日、米国のウィトコフ中東担当特使が新たに提示した、パレスチナ自治区ガザ地区での一時停戦などを盛り込んだ案を受け入れた。イスラエル当局者が明らかにした。
当局者がCNNに明らかにしたところによると、提案には人質10人と死亡した人質18人の遺体の引き渡し、60日間の停戦などが盛り込まれているという。ハマス側が要求し、イスラエルが受け入れを拒否してきた恒久的な停戦に向けた交渉の開始についての詳細は明らかにしなかった。
ハマスの幹部によると、ハマスはウィトコフ氏の提案について、人質の解放と60日間の停戦に同意したうえで、3点を要求しているという。一つは、恒久的な停戦に向けた交渉が継続され、60日後に戦闘が再開されないと米国が保証することだ。
次に、人道支援が国連のルートを通じて行われること、さらにイスラエル国防軍(IDF)が、イスラエルが軍事作戦を再開する前の今年3月2日に占拠していた陣地まで撤退することを求めている。
人質の家族らの団体「人質・行方不明者家族フォーラム」によると、イスラエルのネタニヤフ首相は同日、米国の案を受け入れたことを明らかにした。
米ホワイトハウスのレビット報道官も同日、米国がイスラエルの賛同を得た停戦案をハマスに提示したことを確認し、協議は継続中だと述べた。
停戦案をめぐっては、イスラエルの極右政党を率いるスモトリッチ財務相が受け入れは「全くの狂気」だとSNSに書き込み、「そのようなことは決して容認しない」と批判した。
一方、最大野党を率いるヤイル・ラピド氏は、停戦案を「公に、かつ直ちに」受け入れるようネタニヤフ氏に求めた。
ハマスの幹部はCNNに対し、カタール首都ドーハでハマスの交渉担当者と直接協議しているパレスチナ系米国人の交渉担当者ビシャラ・バーバー氏を通じてウィトコフ氏の提案に応じたと語った。