モデルナの鳥インフル予防ワクチン、米保健福祉省が補助打ち切り
(CNN) 米保健福祉省(HHS)は28日、鳥インフルエンザ(H5N1型)予防ワクチン開発に関して米医薬品メーカーのモデルナと結んでいた契約の打ち切りを発表した。同省はmRNA技術を使った治療法を再評価する取り組みを推進している。
モデルナとの5億9000万ドル(約860億円)相当の契約については、2期目のトランプ大統領が就任する直前の今年1月中旬に発表されていた。
モデルナは28日、鳥インフルエンザ予防のmRNAワクチンについて、健康な成人約300人を対象とした初期段階の臨床試験で「迅速かつ強力で持続的な免疫反応」が確認されたと発表。ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「HHSの補助金打ち切りで不確実性は増しているが、免疫反応と安全性が確認されたことに満足している。今後の計画については代替策を検討する」とコメントしている。
一方、HHSは28日、「厳格な審査を行った結果、モデルナのH5N1型mRNAワクチンに対する投資を続けることは、科学的にも倫理的にも正当化できないという結論に至った」と発表した。
mRNA技術は既にモデルナやファイザーの新型コロナウイルスワクチンに使用されている。しかし一般の反ワクチン感情、中でも反mRNA感情が高まる中、公衆衛生の専門家は懸念を表明していた。