ワクチン未接種の子ども、世界で1430万人 高所得国でも忌避の影響
(CNN) 世界で推定1430万人の子どもたちが一度もワクチン接種を受けたことがないという推計が14日に発表された。公衆衛生の専門家は、紛争地域で子どものワクチン接種の取り組みが脅かされていると指摘する。
世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は毎年、世界195カ国のデータに基づき国ごとのワクチン接種率をまとめている。
ワクチン未接種の子どもは2024年、前年に比べて17万1000人減少した。それでもワクチンを接種したことがない子どもは1400万人を超え、570万人は接種回数が必要数に達していなかった。
WHOのワクチン専門家、ケイト・オブライエン氏は「我々は非常に頑固なガラスの天井に突き当たっている。このガラスを破ってワクチンで予防できる疾病からもっと多くの子どもを守ることは、ますます困難になっている」と指摘する。
同氏によると、紛争や戦争が激化した影響で予防接種の取り組みが後退し、特に低所得国や中所得国で予防接種を受けられない子どもが多いという。
紛争や人道危機などの状態にある26カ国の子どもは、安定した国の子どもに比べてワクチン未接種率が3倍に上る。世界のワクチン未接種の子どもの半数は、そうした国で暮らしている。
昨年はナイジェリア、インド、スーダン、コンゴ民主共和国、エチオピア、インドネシア、イエメン、アフガニスタン、アンゴラの9カ国で、ワクチンを一度も接種したことのない子どもが全体の52%を占めた。
一方、ユニセフの専門家によると、高所得国でもワクチン接種率がワクチン忌避や不信感の影響を受け、はしかやポリオなどワクチンで予防できる疾患が再燃しているという。
米国ではワクチン接種率の低いテキサス州西部ではしかの流行が広がり続けている。米国で今年報告されたはしかの症例数は、四半世紀前に根絶宣言が出されて以来、最多となった。