メイ英首相、辞任を表明 EU離脱実現できず
ロンドン(CNN) メイ英首相は24日、首相官邸前で演説し、6月7日に与党・保守党の党首を辞任すると表明した。ただ、後任が選ばれるまでは首相職にとどまるとしている。
保守党によると、後任選びの手続きは7月末までに完了する見通し。党内では欧州連合(EU)離脱が実現しない状況に反発が強まっており、メイ氏は辞任圧力に屈した形となった。
メイ氏は演説で、自身の離脱案の支持に回るよう議会の説得に手を尽くしてきたものの失敗したと認め、「新首相がこの取り組みを主導するのが国にとって最善の利益になることがはっきりした」と述べた。
辞任表明の演説を行うメイ首相/Hannah McKay/Reuters
さらに「EU離脱を実現できなかったことは痛恨の極みであり、これからもそう思うだろう」と語った。
今後については、一致点を見いだすのは後任首相の仕事になるとの見通しを示し、全関係者に妥協を促した。「私は間もなく生涯の名誉であるこの仕事を離れる。2人目の女性首相だったが、私が最後ではないはずだ」と述べると、その声は震えていた。
メイ氏は最後に「辞任にあたり恨みはなく、むしろ愛する国に仕える機会が持てたことに大きな感謝の念を抱いている」と述べ、目に涙を浮かべて官邸内に戻っていた。
演説で涙を浮かべたメイ英首相/Tolga Akmen/AFP/Getty Images
メイ氏は21日、野党議員の支持を取り付けるため、下院に2度目の国民投票実施を問う案を提示したが、この譲歩案に対し、一部の政権幹部から強い反発が出ていた。
さらに、保守党内で一般議員の利害を代表する「1922年委員会」からは、不信任投票の道を開く党規則変更の可能性を突きつけられ、辞任が確定的となった。メイ氏は昨年12月の不信任投票を切り抜けており、現行規則では1年間は不信任案を提出できない規定だった。