中国全土でスト激増、体制脅かす事態に政府が懸念

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政府当局者は現行の労働法に対する批判も強める。国営新華社通信によると、楼継偉財政相は現行の労働契約法について、従業員が過剰に保護されており、雇用主による新規採用や研修への投資意欲がそがれるとともに、従業員の解雇などの対応が難しいとして批判したとされる。

中国国有の本渓鋼鉄集団は、世界の鉄鋼需要の落ち込みを受けて大幅な賃金カットを実施し、従業員多数を解雇した。ある従業員は、いったん解雇された後に日雇いで再雇用され、医療保険などの福利厚生が受けられなくなったと証言する。

ストや抗議運動の増加を受けて、労働者支援活動を行っている非政府組織(NGO)の摘発も強化された。米議会中国特別委員会によれば、広東省だけで昨年12月に労働者の権利を訴える活動家18人が拘束され、20人以上が尋問されたという。

このため関係者の間に不安が広がり、多くのNGOは活動を続けることがほとんど不可能になった。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのマヤ・ワン氏によれば、中国政府は労働者の間で政治に対する意識が高まって運動が拡大し、国家権力を脅かす事態になることを恐れているという。

今回、政府はかつてない不安定化に直面し、これまでよりもずっと大きな抵抗に遭うだろうと活動家のウー・ギジュン氏は予想。「労働者はかつて自分たちの権利についてほとんど認識していなかった。しかし今では問題にぶつかると、あきらめるのではなく、自分たちの権利のために抗議することをまず考えるようになった」と指摘している。

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