38年前の米未解決殺人事件、被害者の身元が判明 交際男性の周囲では女性が相次ぎ失踪
アリゾナ州モハベ郡(KTNV) 米アリゾナ州モハベ郡の保安官事務所(MCSO)は、38年前に発生した未解決殺人事件の被害者が、カリフォルニア州サンディエゴ郡出身のキャロル・アン・ライリーさんであることを特定した。
ライリーさんの遺体は1987年5月16日にミード湖周辺で発見された。
捜査官は何年にもわたり身元の特定を試みたものの成果はみられなかったが、法医歯科医は全米犯罪情報センター(NCIC)の身元不明者歯科報告書を作成し、全米行方不明者・身元不明者システム(NamUs)に登録することに成功した。
2011年にはMCSOにテキサス州オースティンの捜査官から管轄区域の行方不明者ではないかとの連絡があったが、歯科記録との一致は見られなかった。MCSOは、遺骨を北テキサス大学に送り、同大学でDNA鑑定が行われた。鑑定結果は、有罪判決を受けた犯罪者、未解決の犯罪現場の証拠、行方不明者のDNA鑑定結果を収録したソフトウェアプログラム「CODIS」に入力された。
MCSOは24年4月、検体が法医遺伝子系図の調査に十分な量であるかどうかを同大学に確認したが、分析するには小さすぎるとのことだった。
さらに今年2月には、被害者の衣類や本人がくるまれていた毛布をアリゾナ州の研究所に送り、身元確認を再度試みたが、これも失敗に終わっていた。
7月になってついに捜査官らは、カリフォルニア州司法省の法医歯科医らが、1986年に行方不明になった女性がキャロル・アン・ライリーさんであることを突き止めたという連絡を受けた。
ライリーさんは1943年4月4日生まれで、失踪当時はサンディエゴの病院で看護師として働いていた。
当局によると、ライリーさんはロバート・ハワード・スミスと名乗る男と交際しており、失踪当日の夜に食事の約束をしていた。友人には別れるつもりだと話していたという。
男は警察の事情聴取に対し、ライリーさんがデートをキャンセルしたと説明。2日後に男は町を離れた。
後に男の本名はロバート・ディーン・ウィークスであることが判明。過去にも偽名を使っており、周囲では複数の女性が失踪していた。
元妻であるパトリシア・ウィークスさんは、離婚成立からわずか数週間後の68年4月25日に姿を消した。
不動産仲介業のシンシア・ジャボーさんとも交際していたが、ジャボーさんが最後に目撃されたのは80年10月5日だった。
被害者らの遺体は発見されていない。
ウィークス受刑者は88年4月、パトリシア・ウィークスさんとシンシア・ジャボーさんを殺害した罪でネバダ州で終身刑を言い渡され、96年9月20日に死亡した。