米陸軍兵を訴追、M1A2戦車に関する機密情報をロシアに提供しようとした疑い
(CNN) 米テキサス州の陸軍兵(22)が6日、米国のM1A2エイブラムス戦車に関する機密情報をロシアへ送ろうとした疑いで、逮捕・訴追されたことが分かった。司法省が声明で明らかにした。
連邦検察によれば、テーラー・アダム・リー容疑者はフォートブリス陸軍基地に配属されている現役の要員で、最高レベルの機密取り扱い権限を有する。6月にロシアへの協力を申し出て、M1A2エイブラムス戦車に関する技術情報をオンラインで送信したとされる。
検察によると、リー容疑者はインターネット上で「米国は私が弱点を暴こうとするのを快く思っていない」などと述べていた。
リー容疑者は最高レベルの機密取り扱い資格「TS/SCI」を持つ人物。検察によると、容疑者は7月には、ロシアの情報将校とみなす人物に戦車の弱点に関する機密情報を渡そうとも試みた。7月末、テキサス州エルパソの倉庫に戦車の部品とみられる物を届けた後、この人物に「任務完了」のメッセージを送ったとされる。
リー容疑者はスパイ活動法違反に加え、規制対象の技術データを無許可で輸出しようとした武器輸出管理法違反にも問われている。法廷文書によると、米政府は保釈なしでの勾留を求めている。
司法省によると、リー容疑者は6日、連邦裁判所に初出廷したが、弁護人が付いているかどうかは現時点で不明。
CNNは米陸軍にコメントを求めている。
連邦捜査局(FBI)防諜(ぼうちょう)部門のロマン・ロジャフスキー氏は6日の声明で、リー容疑者がロシアの情報機関員とみなす人物に情報提供しようとしたのは、見返りにロシア国籍を得るためだったと指摘した。
ロジャフスキー氏はさらに「本日の逮捕は、米国を裏切る考えを持つ全ての者、特に祖国防衛の宣誓をした兵士へのメッセージだ」と言い添えた。