米中西部と北東部で深刻な大気汚染、西部とカナダから山火事の煙
(CNN) 米西部と隣国カナダで続く山火事の影響で、米各地で大気汚染が深刻化している。広い範囲が山火事の煙に覆われる状況は、今後もしばらく続きそうだ。
5日には米中西部と北東部の11州で、カナダの山火事の煙を原因とする大気質警報が出された。4日に比べると煙の濃度は低下したものの、呼吸器疾患のある人や子ども、高齢者にとっては深刻な健康被害の恐れがある。
大規模な山火事は米西部でも続いており、カリフォルニア州南部を中心に複数の州で大気汚染が悪化している。
カナダでは5日現在、500件以上の山火事が続いている。このうち140件がマニトバ州、70件以上がサスカチュワン州で発生した。
この影響で米中西部や北東部では週明けから大気質が悪化。ミシガン州デトロイトの大気質は4日、6段階で4番目の「不健康」レベルにまで悪化し、世界の主要都市のワースト3に入った。世界の大気質を調査している「IQエア」によると、5日早朝のデトロイトの大気質は世界で6番目の悪さだった。
山火事の煙が6日にどのように流れるかの予測モデル
山火事の煙には非常に危険な大気汚染物質のPM2.5が含まれる。PM2.5を吸い込むと肺の奥深くまで入り込んだり血流に取り込まれたりして気管支炎などの呼吸器系疾患を引き起こし、糖尿病や心臓病などの症状が悪化することもある。
6日には地表近くの煙は晴れる見通しだが、上空の大気の中の煙は今週いっぱい残る可能性がある。
米西部では10州で大規模な山火事が発生しており、カリフォルニア州では5日現在、サンタバーバラ郡とサンルイスオビスポ郡の一部に避難指示が出されている。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の山火事カメラシステムのタイムラプス映像