ウォール街の流行語「TACO(トランプはいつも尻込み)」について問われたトランプ氏、「最も不快な質問」
「TACO」について問われたトランプ氏、記者を一蹴
(CNN) トランプ米大統領による度重なる関税発動の脅しにより、ウォール街はここ数カ月、歴史的な激動にさらされている。そして今、投資家らはトランプ氏の言葉をうのみにしなくなったばかりか、多少の皮肉も込めるようになってきた。
投資家の間では、新しいトレーディングスタイル「TACO」が定着しつつある。TACOは「Trump Always Chickens Out(トランプはいつも尻込みする)」の略語だ。つまり、トランプ氏の新たな関税発動の脅しに動揺して売りまくってはいけない、いずれ発言は撤回され株価は反発するのだから、というものだ。
英紙フィナンシャル・タイムズのコメンテーター、ロバート・アームストロング氏が編み出したこの造語をトランプ氏が初めて知ったのは28日。記者からこの言葉に対する反応を尋ねられたときだった。
トランプ氏は「私が尻込みする? 聞いたことがない。中国への関税率を145%から100%に引き下げ、さらに引き下げたからか?」と対中関税について言及した。
同氏は先週、6月1日から欧州連合(EU)に50%の関税を課すと発表し、株価は下落に転じたが、2日後にはEUとの協議が好調だったことを受け、関税賦課を7月9日まで延期すると述べた。戦没将兵追悼記念日明けに市場が再開すると、株価は大幅に上昇して取引を終えた。
トランプ氏はEUと中国の関税率に関する最近の発表に触れ、「これが交渉というものだ」と述べた。自身の戦術の中には、関税率を「途方もなく高い数字」に設定し、他国が自身の要求を受け入れればそれを下げるという手法も含まれるという。
同氏は質問した記者に対し「その発言は絶対に口にするな」とくぎを刺し、「最も不快な質問だ」と一蹴した。