新型コロナワクチン接種に伴う心疾患リスク、米FDAがメーカーに警告の拡大義務付け

FDAはファイザーとモデルナに対し、新型コロナウイルスに関する警告表示の拡大を求めている/Sarah Silbiger/Getty Images

FDAはファイザーとモデルナに対し、新型コロナウイルスに関する警告表示の拡大を求めている/Sarah Silbiger/Getty Images

(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は、新型コロナウイルスのワクチン接種に伴って稀(まれ)に起きる心疾患のリスクについて、警告表示を拡大してリスクに関する情報量を増やすことをメーカーに義務付ける。

対象となるのはファイザーとビオンテックが共同開発したワクチンと、モデルナのワクチン。心筋炎や心膜炎といった心疾患のリスクについては、従来からそれぞれのワクチンの添付文書に記載されていた。

米疾病対策センター(CDC)のウェブサイトによると、極めて稀ながら、ワクチン接種後にそうした症状を発症する可能性はある。

CDCは先月のワクチン諮問委員会で、2020年から22年にかけての新型コロナワクチン接種で統計的に有意な心筋炎のリスク増大が認められたと報告した。ただし発症は極めて稀で、その後数年間の接種ではリスク増大は認められなかったとしている。

現在の添付文書でそうした心疾患のリスクが最も高いとされているのは、モデルナのワクチンについては18歳~24歳の男性、ファイザーのワクチンについては12歳~17歳の男性。新しい添付文書ではこの年齢層を拡大して、両社のワクチンとも16歳~25歳の男性を警告の対象とする。

FDAは、ファイザーとモデルナに宛てた4月17日付の通知をこのほどネットで公開。民間医療保険の請求データを調べた結果、生後6カ月から64歳までを対象とするワクチン接種100万回につき、心筋炎や心膜炎の症例が8例あったことが分かったとしている。

接種から7日以内の発症は16歳から25歳の男性に多かった。ただ、依然として稀なことに変わりはなく、接種100万回あたりの心筋炎または心膜炎は約38例だった。

保健福祉省の広報は21日、今回の措置の目的について「徹底的な透明性」を高めることにあると説明した。

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