新教皇のＳＮＳアカウント？　トランプ政権批判の投稿を共有

（ＣＮＮ） 新しいローマ教皇に選出された米国出身のロバート・プレボスト枢機卿をめぐり、同氏の名でドナルド・トランプ大統領の移民政策やＪ・Ｄ・バンス副大統領の発言に対する批判を共有していたＸのアカウントがあることが分かった。そうした姿勢はフランシスコ前教皇とも一致しており、米政権との間で摩擦が生じる可能性もある。

プレボスト名のＸアカウントでは、そうした批判を自身の言葉で書き込むよりも、別のアカウントの記事や投稿を共有していた。

このアカウントが新教皇のレオ１４世となったプレボスト氏とつながりがあるのか、ＣＮＮ独自に確認することはできていない。

トランプ大統領は８日、初の米国人教皇の選出について「とてもうれしい」とコメントした。

プレボスト名のアカウントで共有された投稿は、バンス氏が「極左は米国民より移民を大切にしている」と主張した発言や、メリーランド州在住の不法移民キルマル・アブレゴ・ガルシア氏を手違いでエルサルバドルの刑務所に強制送還した米政権の措置に対して批判の矛先を向けていた。

４月１４日には、米首都ワシントンのエベリオ・メンヒバール補佐司教が書き込んだ投稿を共有。補佐司教の投稿は「連邦政府は『衝撃と恐怖』のキャンペーンを展開している。単なる移民『執行』の域をはるかに越え、合法性が疑問視されるあからさまな脅しだ。裁判所はトランプ政権に対し、アブレゴ・ガルシアの帰還を促すよう命じている」という内容だった。

２月１３日には、トランプ政権による集団強制送還を非難したフランシスコ前教皇の書簡を共有した。フランシスコ前教皇は特に、貧困や搾取、迫害を理由に故国を離れた人たちの強制送還について、男女の尊厳を傷つける行為として強く批判していた。

バンス副大統領については、ＦＯＸニュースのインタビューでバンス氏がキリスト教の教えについて語った内容をめぐり、「Ｊ・Ｄ・バンスは間違っている。イエスは私たちが他者への愛情を序列化することは求めていない」と批判したナショナル・カトリック・リポーター紙の記事を２月３日に共有した。

バンス氏はフランシス前教皇が亡くなる直前に面会していた。

トランプ氏が最初に大統領選に出馬した２０１５年には「ドナルド・トランプの反移民発言がなぜ大きな問題なのか」というティモシー・ドラン枢機卿の寄稿をリポスト。民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏についても、人工妊娠中絶をめぐる民主党の「極端な」立場のために、有権者が離れたと分析する記事を１６年１１月に共有していた。

プレボスト名のアカウントは、Ｘがツイッターだった当時の１１年に作成されたと思われる。投稿の大部分は自身で書き込んだ文章やコンテンツではなく、別のアカウントの投稿や記事のリポストだった。８日の時点で８００に届かなかったフォロワー数は、午後５時現在で一気に２３万２０００を超えた。