トランプ前大統領の長姉、86歳で死去 晩年はトランプ氏との関係にひび

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トランプ前米大統領の長姉マリアンヌ・トランプ・バリー氏が死去した/Julie Jacobson/AP

トランプ前米大統領の長姉マリアンヌ・トランプ・バリー氏が死去した/Julie Jacobson/AP

(CNN) トランプ前米大統領の長姉マリアンヌ・トランプ・バリー氏が死去した。86歳だった。事情を知る人物2人がCNNに明らかにした。

バリー氏は連邦裁判所の判事や検察官を務めた。1983年に当時のレーガン大統領によって東部ニュージャージー州の連邦地裁の判事に選ばれ、99年にはクリントン政権に第3巡回区控訴裁判所の判事に指名された。2019年に退任していた。

退任時には税金詐欺への関与で裁判官としての行動規範違反があったか調査が進められていた。トランプ前大統領とそのきょうだいが遺産を大きく見せるために税のスキームを利用したと報じる米紙ニューヨーク・タイムズの記事が発端だった。バリー氏の上院承認時の開示資料にトランプ氏一族企業からの100万ドル(現在の為替レートで約1億5000万円)の寄付金が記載されていたことが、詐欺疑惑が明るみに出る重要なきっかけとなった。

バリー氏の退任を受け、同氏に対する調査は終了。年金の受給権を維持したまま、判事としてのけん責を受けることもなかった。同氏代理人は詐欺の疑惑を否定している。

バリー氏はトランプ氏との意見の違いを公に話すことはなかった。ただ、めいのメアリー・トランプ氏との会話の録音には、当時大統領だったトランプ氏を厳しく批判する発言が残っている。CNNはこの録音を20年に入手した。

バリー氏はトランプ氏にとって生涯を通じた最も近しい親友というべき存在で、助言を求める数少ない人物の一人だった。だが、メアリー氏がバリー氏のトランプ氏を批判する発言の録音を公開し、政権末期には関係にひびが入っていた。関係者によると、トランプ氏はバリー氏の発言に深く傷ついていたという。

バリー氏は「とんでもないツイートとうそ」「話が変わり、準備に欠け、うそだ」と述べ、ある時点では、トランプ氏を「残酷だ」と発言。「彼には何の方針もない。何もだ」とも批判した。

トランプ氏が自分の法曹のキャリアを利用しようとしたとも示唆し、「1981年以降彼にお願いをしたことは一度もない」と語った。

2018年11月にメアリー氏と話した際には、トランプ氏が大学進学適性試験(SAT)で身代わり受験をしてもらうために誰かの協力を求めていたとも話したとされる。

一方、トランプ氏はバリー氏について、15年のブルームバーグTVの取材で「彼女は驚異的で、最良の人物の一人だと思う」「とても賢くて、とてもいい人物だ」と評価。最高裁判事への任命の検討に値する人物だと示唆していた。

20年にはメアリー氏がトランプ氏やバリー氏、おじの故ロバート・トランプ氏の遺産管理人を提訴。メアリー氏から資金を遠ざけ、不正に得た金銭を隠し、メアリー氏の本当の相続額についてだます目的で、複雑なスキームを設計し実行したと主張した。裁判所は昨年、数十年前に和解があったと述べ、この訴えを却下している。

バリー氏は5人きょうだいの一番上で、ニューヨーク州ホフストラ大学法科大学院を1974年に卒業した。02年の米誌ニューヨーク・マガジンの取材では、息子が6年生になるまで法曹のキャリアを目指さなかったと語り、一族のビジネスに参加することは選ばなかったとも言及。「子ども時代でさえ、ドナルドとは競おうとさえしない方がいいとわかっていた」と述べていた。

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