米、ウクライナでの戦争の早期終結に悲観的 流出文書が示唆

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ロシア軍陣地に発砲するウクライナ兵=3月13日、ウクライナ東部ドンバス地方/Aris messinis/AFP/Getty Images

ロシア軍陣地に発砲するウクライナ兵=3月13日、ウクライナ東部ドンバス地方/Aris messinis/AFP/Getty Images

(CNN) SNSに流出した米国防総省の機密文書からは、ウクライナでの戦争の状況に関する米国の悲観的な見方がうかがえる。文書ではウクライナの兵器や防空体制の弱点が強調されているほか、今後数カ月にわたって戦況が膠着(こうちゃく)状態に陥るとの見通しも示されている。

一連の文書は今年2~3月に作成されたものとみられる。ウクライナ政府が春の反転攻勢に向けた準備を進めるなか、ウクライナの軍事的弱点の多くを詳しく分析している。

一部の機密文書では、前線の兵員を守るウクライナの中距離防空能力について、「5月23日までに完全低下する」と警告。ロシアが近く航空優勢を握る可能性や、ウクライナが反攻で大規模な地上戦略を集める能力を失う可能性を示唆している。

ロシア軍の攻勢に付きまとう問題についても強調し、当面のあいだ両軍が膠着状態に陥るとの予想を示している。

流出した機密文書の一つでは「ドンバス地方におけるロシアの消耗戦は膠着に向かう可能性が高く、年内に同地方全域を制圧するというロシア政府の目標の妨げになる」としている。

事情に詳しい複数の当局者はCNNの取材に、これらの文書について、ミリー統合参謀本部議長を含む国防総省高官向けに準備された日次情報報告資料の一部とみられると明らかにした。

流出した文書の多くは機密と記されており、国家安全保障の重大な侵害に当たる。司法省は誰がリークに関与したのかを調べる刑事捜査に着手し、国防総省も国家安全保障への影響を調査中だ。文書にはウクライナ戦争に関する分析のほか、敵味方双方について収集した情報も記載されている。

CNNの国家安全保障・軍事アナリストを務めるマーク・ハートリング退役中将は、新兵器を統合する必要性や十分な補給路の確保など、予定される反攻でウクライナが直面する課題は何週間も前から明らかになっていたと指摘。情報流出でウクライナ政府の計画が変更されることはないとの見方を示した。

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