天王星の見事な環、ウェッブ望遠鏡の新画像

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(CNN) 米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、「巨大氷惑星」と呼ばれる天王星の新たな姿を捉えた。その見事な画像により、塵(ちり)からなるぼんやりとした天王星の環(リング)がほぼ全て確認できる。

NASAによれば、今回の画像にはウェッブ望遠鏡の感度の高さが表れている。より淡い複数の環については、これまで探査機「ボイジャー2号」と米ハワイ州マウナケア山の山頂に位置するケック天文台でしか捉えられていなかった。

天王星で存在の知られている環は13個。ウェッブ望遠鏡の新たな画像では、このうち11個が確認できる。九つは主環に分類されるが、残る二つは塵状の性質のため捉えるのがより難しく、1986年のボイジャー2号のフライバイ(接近通過)によって初めて発見された。

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた天王星の画像(左)とジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた、より高精細な天王星の画像/NASA/NASA
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた天王星の画像(左)とジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた、より高精細な天王星の画像/NASA/NASA

今回の画像に写っていない外側のかすかな環は2007年、ハッブル宇宙望遠鏡による撮影で見つかった。科学者らは、ウェッブ望遠鏡もいずれそれらを捉えるだろうと期待している。

NASAのゴダード宇宙飛行センターでウェッブ望遠鏡による太陽系の観測に携わるナオミ・ローガーニー博士は電子メールで取材に答え、「環系は惑星の起源や構成について多くのことを教えてくれる」と指摘。横に倒れた形の自転軸や内部熱の欠如といった天王星の特徴に触れ、その歴史に関する手掛かりはどんなものであれ非常に価値があると語った。

ローガーニー氏はまた、ウェッブ望遠鏡によって天王星の大気の組成についてもより多くのことが明らかになると期待を寄せている。

ウェッブ望遠鏡は強力な近赤外線カメラを使用。それ以外では視認できない赤外光を検知することに成功した。

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