大量の犠牲者を集団で埋葬 シリアで続く内戦の惨状、目撃者が米上院で証言

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アサド政権の戦闘機で破壊された北西部イドリブ近郊の村にある養鶏場/Izzeddin Kasim/Anadolu Agency/Getty Images

アサド政権の戦闘機で破壊された北西部イドリブ近郊の村にある養鶏場/Izzeddin Kasim/Anadolu Agency/Getty Images

ワシントン(CNN) 10年以上内戦が続くシリアでは今も、大量の犠牲者を集団墓地に埋葬する作業が続けられている――。「墓堀り人」と呼ばる匿名の告発者が8日、米上院で行われたシリア内戦に関する公聴会でそう証言した。

黒い服で頭からつま先まで覆い、顔も頭も完全に隠した告発者の男性は2011~18年、シリアで集団墓地を掘る作業に携わり、恐ろしい現状を目の当たりにした。男性は18年にシリアを離れたが、その後出国した別の人たちから聞いた話では、集団墓地を掘る作業は今も続けられているという。男性は通訳を通じて事前に用意した発言の内容を読み上げた。

シリア内戦は11年、バシャール・アサド大統領に対する平和的な抗議運動として始まった。国連によると、10年以上続く内戦では推定40万人のシリア国民が殺害され、数百万人が国内外に逃れている。

告発者の男性は内戦前はダマスカス市の職員として勤務していたが、11年に「政権の情報当局者」が市役所に来て、自分たちのために働くよう男性に命じたという。

「政権に言われたことは断れない。私は自分の職務の恐怖に対する準備ができていなかった」と男性は振り返る。

「毎週、週に2回、3台のトレーラートラックが、拷問や爆撃、虐殺の犠牲者300~600人の遺体を詰め込んで到着した。週に2回、3~4台のピックアップトラックが、セドナヤ刑務所で処刑された民間人30~40人の遺体を積んで到着した。最も非人道的な方法で廃棄するために」

男性は18年にシリアから脱出でき、家族を追って欧州へ向かった。ドイツの裁判所では自身が目撃した恐怖について証言した。

「今、この瞬間も、大勢の人がアサド政権の手による非人道的な拷問を受けている」「遺体が積み上げられて集団墓地になり、今も墓が掘り続けられている正確な場所を私は知っている。私がそれを知っているのは、集団墓地で私と一緒に作業していた人たちが最近になって脱出し、私たちが聞いていたことを確認したからだ」

シリア内戦が長引くほど、そしてアサド大統領が権力の座にいる期間が長くなるほど、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の力が増すと男性は訴える。

「アサドを許せばプーチンも許すことになる。アサドを止めればロシアの独裁者も傷つく。私たちは過去から学び、こうしたことを再び起こしてはならない」

男性は、集団墓地で作業していた際の恐ろしい体験についても証言した。ある時、遺体と一緒にトレーラートラックから遺棄された男性の体が動いた。まだ生きている証拠だった。

「民間人作業員の1人が、泣きながら、何とかしなければと言った」「私たちを監督していた情報当局者は、ブルドーザーの運転手に男性をひくよう命じた。運転手は躊躇(ちゅうちょ)できなかった。従わなければ次は自分の番になる。運転手は塹壕(ざんごう)で男性をひき殺した。アサド政権の犠牲者に涙を流した私たちの仲間の若い男性については、二度と姿を見ることはなかった」

男性は米上院に対し、行動を起こしてほしいと訴えている。「何十万人もの人が既に殺害され、姿を消し、何百万人もの人が避難した。それでも最悪の事態はこれからだ。それは阻止できる。お願いだから、これ以上1秒たりとも待たないでほしい。どうか行動を起こしてほしい」

CNNはシリア外務省にコメントを求めたが、返答はなかった。

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