英王室への助成金、170億円で変わらず 年次報告書で明らかに

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6月21日、英王室の競馬イベント「ロイヤルアスコット」に出席するチャールズ国王/Max Mumby/Indigo/Getty Images

6月21日、英王室の競馬イベント「ロイヤルアスコット」に出席するチャールズ国王/Max Mumby/Indigo/Getty Images

ロンドン(CNN) 英王室は6月30日に財務諸表を公表し、政府から年間で受け取る王室助成金「ソブリン・グラント」が8630万ポンド(約170億円)のままだったことを明らかにした。

ソブリン・グラントは、王宮の維持費や王室メンバーの公務に充てられ、英国の納税者の税金から賄われている。その見返りとして王室は、ロンドン中心部の広大な土地、アスコット競馬場、イングランド、ウェールズ、北アイルランド周辺の海底を含むクラウン・エステート(王室財産)から得られる利益のすべてを政府に納めている。この制度は1760年に遡(さかのぼ)る。

ソブリン・グラントは、君主とその代理人にとって経費精算のような役割を果たし、旅費、スタッフ、歴史的建造物の維持費など、公務にかかる費用を賄っている。注目すべきことに警備費用はここに含まれていない。王室メンバーがこなす多数の公務や行事を踏まえれば、警備費用も高額となる。

王室メンバーは「英国内外で1900件以上の公務に携わ​​り、公式王宮で開催された828のイベントには9万3000人以上の来賓が出席した」と、年次王室助成金報告書は述べている。

ソブリン・グラントの総額は8630万ポンドで、法律により過去3会計年度と同額となっている。このうち5180万ポンドが中核的な補助金、3450万ポンドがバッキンガム宮殿の改修に充てられる。

ロンドン中心部にある人気観光名所であるバッキンガム宮殿では、電気配線、配管、エレベーター、バリアフリートイレの改修を含む大規模な現代化プロジェクトが進行中だ。

報告書によると、王室は「使用状況と費用対効果を徹底的に検討した上で」ロイヤルトレイン(専用列車)を廃止する予定だ。 英王室はビクトリア女王がイングランドのスラウからロンドン・パディントン駅まで特別に設計された客車に初めて乗った1842年以来、移動に専用列車を利用してきた。

また王室は持続可能な航空燃料(SAF)の使用を増やし、車両の電動化も継続していくという。

英王室の主な収入源はソブリン・グラント、ランカスター公領及びコーンウォール公領、そして個人資産及び投資の三つとなる。

英王室への助成金の額は長年にわたり批判を招いており、ある反王室団体はソブリン・グラントを廃止し、クラウン・エステートの利益は英国国民が全額受け取るべきだと主張している。

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