トランプ政権、NATOへの拠出金の大幅削減要求
ワシントン(CNN) トランプ米政権が北大西洋条約機構(NATO)の本部運営や安全保障関連の共同投資、一部の統合軍事演習などに要する拠出金の大幅な削減を要求したことが28日までにわかった。
米国政府とNATOの複数の当局者が明らかにした。米国はこの種の経費の約22%をこれまで負担。米国防総省当局者はCNNの取材に、負担の比率をドイツの14.8%に見合うよう約16%に引き下げるよう求めたと述べた。
この経費の総額は約25億ドル(約2725億円)。NATOが加盟国に促す国内総生産(GDP)の2%を割くとの各国別の国防予算とは別枠となっている。
米政府当局者らによると、トランプ政権が求めた経費削減の分は他のNATO加盟国が引き受けるとみられる。
NATO当局者はCNNに、全ての同盟国は新たなコスト負担方式に合意したと指摘。大半の欧州の同盟国とカナダの拠出金が増え、米国の分は減ると述べた。同盟関係への同盟国の決意とより公正な負担共有への重要な意思表示であるとも強調した。
NATO外交官によると、この合意は今週成立した。米国防総省当局者によると、米国が負担削減で得た資金は欧州内で米軍や安保関連活動の資金に振り向けられる見通し。ロシアと対峙(たいじ)するNATO非加盟のウクライナやジョージアなどでの活動が含まれるとした。
トランプ大統領はこれまで、ドイツを中心にGDP比で2%支出の国防費を達成しないNATO加盟国を再三批判。一方でNATO諸国は大西洋を隔てた同盟関係へのトランプ氏の決意を疑問視し続けてもいる。
NATOは来週、ロンドンで創設70周年記念の首脳会議を開く予定。