人体を内側からむしばむ薬物「クロコダイル」 米国に流入か

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人体を内側からむしばむ薬物が米国にも?

(CNN) 人体を内側からむしばみ、手足などを壊死(えし)させる薬物「デソモルヒネ」が米国に流入した疑いが強まっている。アリゾナ、オクラホマの2州で症例が報告されたのに続き、イリノイ州シカゴ郊外の町でこのほど5人が入院した。

デソモルヒネは注射器で投与する薬物で、強い中毒性を持つ。肌が黒や緑色に変色してワニのようになることから、別名「クロコダイル」とも呼ばれる。

イリノイ州の女性入院患者を診察した病院の医師によれば、この患者はデソモルヒネ中毒の疑いがあり、両足の相当部分を失っているという。「この薬は文字通り、人を内側から殺す」と同医師は警告する。

2013年の研究によれば、デソモルヒネを使用すると血管や組織がむしばまれ、壊疽(えそ)や壊死に至る。まず薬品を注射した部分の組織が破壊され、血中で完全に分解されないことから血管内に血の塊ができる。この塊が体内の各所に運ばれて組織が破壊されるという。

これまでのところ、米国人がデソモルヒネを使用したケースは公式統計では確認されていない。ジョージア州の薬物中毒専門医は、「米国でどのくらい広まっているのかはっきりしない」と話す。

ロシアやウクライナでは多数の患者が確認されており、2011年にロシアで推定10万人、ウクライナで2万人が使用したとされる。デソモルヒネの値段はヘロインよりも安く、自宅で簡単に合成できてしまう。

イリノイ州で使用が疑われる5人は、ヘロインだと思って薬品を買ったと話しているという。薬物中毒の専門家は、「これは氷山の一角に過ぎない。状況はさらに悪化するだろう」と予想している。

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