北朝鮮の高麗航空がマカオ直行便、「ピョンハッタン」の富裕層に照準か
香港(CNN) 北朝鮮国営の高麗航空が、来月から中国のマカオと北朝鮮を結ぶ直行便の運航を開始する。マカオの航空当局が明らかにした。
高麗航空が国際線の定期便を運航するのは、中国の北京と瀋陽、ロシアのウラジオストクに続いてマカオが4都市目となる。北朝鮮からの距離は、これまでの3都市の方がはるかに近い。マカオは香港に近い中国南部に位置している。
マカオ市航空局によると、高麗航空のマカオ便は、8月2日から週に2便が運航される。マカオ便に使用する機体の種類は明らかにしなかった。
マカオは香港と同様、特別行政区に指定され、中国で唯一、カジノの運営が認められてアジアでも有数の人気観光地となっている。
世界最悪級の貧困国として知られる北朝鮮だが、金正恩(キムジョンウン)体制の下で富裕層の若者が増え、「ピョンハッタン」として知られる高級エリアで暮らすようになった。マカオ便はそうした層に照準を定める狙いもありそうだ。
マカオ便の運航に対しては、核兵器開発を巡って北朝鮮に制裁を科している米国が警戒を強める可能性もある。
米国は2006年、北朝鮮がマカオのバンコ・デルタ・アジアを利用して多額の資金洗浄を行い、偽造100ドル紙幣を流通させたと非難し、バンコ・デルタ・アジアなどの北朝鮮に関連した口座の資金2000万ドル以上を凍結していた。当時北朝鮮との核を巡る交渉が決裂したのはこれが一因だったとの見方もある。