米大衆紙ニューヨーク・ポスト、西海岸で姉妹紙を26年に発刊
(CNN) 米大衆紙ニューヨーク・ポストが、2026年前半に西部のカリフォルニア州で姉妹紙「カリフォルニア・ポスト」を発刊すると明らかにした。
カリフォルニア・ポスト紙は、ニューヨーク・ポスト・メディア・グループの下で独立して運営され、本社はロサンゼルスに置く。ニューヨーク・ポスト・メディア・グループは、「メディア王」として知られるルパート・マードック氏が率いるニューズ・コープの傘下にある。
紙面では、ニューヨーク版でおなじみの辛辣(しんらつ)かつゴシップ色の濃い記事を、カリフォルニア州に焦点を当てて届ける。地元ニュースや娯楽、スポーツに加え、駄じゃれ満載の一面も健在で、日刊の印刷版も発行する。
ニューヨーク・ポスト紙のキース・プール編集長は声明で、「これは我々の全国ブランドの新たな表現だ。カリフォルニア州は米国最多の人口を抱え、娯楽、AI(人工知能)革命、先端製造業の中心地であり、スポーツの強豪でもある」と語った。

「カリフォルニア・ポスト」のイメージ/Courtesy of The New York Post Media Group
今回の戦略は、ポスト・メディア・グループにとって大きなチャンスとなりそうだ。ロサンゼルスはポスト紙のデジタル読者が2番目に多い市場で、月間ユニークビジター数は約350万人、州全体では730万人に達している。現在、ポスト紙のデジタル読者の約90%がニューヨーク以外に居住している。
今回の発表は、カリフォルニア州の衰退したニュースメディア環境を逆手に取ろうとする狙いもある。カリフォルニア州の報道業界は全米の新聞社と同じく、広告収入の落ち込みと制作費の高騰に直面しており、一部の新聞社は編集部を大幅に縮小したり、完全に閉鎖したりしている。また、ハリウッドの裏庭に拠点を構えることで、業界メディアが独占してきたゴシップ市場にも挑戦しようとする可能性もある。