親ロシア派の地方政治家に選挙不正で禁錮刑、重要な議会選迫る中 モルドバ
(CNN) モルドバの裁判所は、政党資金をロシアから流用したとして、ロシア寄りの地方政治家に禁錮7年の判決を下した。
5日の判決を受けたエフゲニア・グシュル被告は、歴史的に親ロシア的な民族地域とされるモルドバ南部ガガウズ自治区の指導者。選挙不正の疑いで3月に拘束された。
ロイター通信によると、検察当局はグシュル被告が2019年から22年にかけて、イラン・ショル氏が設立した政党への資金提供のため、未申告の資金をモルドバに流用したと述べた。ショル氏は親ロシア派の実業家で、モルドバで詐欺罪で有罪判決を受け、現在は亡命生活を送っている。
グシュル被告の有罪判決は、重要なモルドバ議会選挙の数週間前に下された。旧ソ連圏の同国を率いる親欧米派のマイア・サンドゥ大統領は、議会での過半数維持を目指している。
サンドゥ氏は昨年、欧州連合(EU)加盟の是非を問う国民投票と同日に行われた投票で大統領に再選された。モルドバ国民は僅差(きんさ)で加盟を支持していた。検察によると、どちらの投票もショル氏が画策した大規模な買収工作によって汚点が付いていた。ショル氏は14年、モルドバの銀行からの10億ドル(現在のレートで約1470億円)盗難に関わった罪で有罪判決を受けて以来、ロシアで多くの時間を過ごしている。
国民投票前、モルドバの国家警察長官は約13万人の国民がショル氏から総額1500万ドルを受け取ったと述べた。、反対票を投じるか、他者に反対票を投じるよう説得する見返りに金を渡していたとされる。長官は、ロシアがこの計画に資金提供していたことは「明らか」だと述べた。ロシア政府はモルドバへの政治干渉を否定している。
グシュル被告は現在禁止されているショル氏の政党の元幹事で、23年にガガウズ自治区の首長に選出された。この選挙でも、票の買収疑惑が浮上した。