LAで盗まれたキアヌ・リーブスの腕時計、チリのギャングの手に渡るまで
クラウディア・バラサ検察官は大使館の引渡し式典で、リーブスさんの自宅に侵入した犯罪組織と、時計をチリに持ち込んだグループが同一であるという証拠はないと述べた。
しかし、バラス氏は、当局が強盗を実行したとされる人物が使用していた携帯電話も押収したと指摘。その携帯電話には問題の時計、銃、そしてリーブスさんの運転免許証が写った、米国で撮影された写真が保存されていた。これらの写真はリーブスさんの自宅で撮影されたものとみられる。
バラス氏は法的な問題として、リーブスさんがそれらを自身の所有物だと確認するまで待たなければならなかったと説明した。リーブスさんはロサンゼルス警察署で当該の写真を見て確認を行ったという。
皮肉なことに、「ジョン・ウィック」シリーズでリーブスさんは自宅に強盗に入られる元殺し屋を演じている。23年の事件以外にも、シリーズ第1作公開の数カ月前の14年、ロサンゼルス警察はリーブスさん宅に3日間で2件の侵入があったと報告している。これらの事件では強盗は起きていなかった。
チリ警察犯罪捜査局によると、23年の強盗事件でリーブスさんが被った損失は700万ドル(約10億円)に上るとみられている。
CNNは事件に関する詳細情報を得るためにFBIに連絡を取った。
捜査の柱の一つは、盗難品がどのようにしてチリに持ち込まれたかの解明だ。警察犯罪捜査局によると、犯罪組織は小包システムを利用するか、犯罪歴のない観光客を通して品物を送るのが一般的だという。そのため当該の腕時計は、疑いを持たれていない旅行者の腕に装着されていたため、空港の保安検査を容易に通過できた可能性がある。
犯罪組織の構成員とされるその他の容疑者の運命は様々だ。ロサンゼルス強盗事件の容疑者の兄弟は、脅迫を伴う強盗と税関詐欺の罪で有罪となった。バラス氏によると、別の容疑者は犯罪組織間の抗争で死亡した。捜査官はまた、1人は米国に渡航して犯罪行為を続けたと説明。さらにもう1人はアルゼンチンに渡り、ブエノスアイレスで家宅への強盗の容疑で逮捕されたという。