ボールとストライクを自動判定、MLBオールスター戦で初導入 投手の反応は?

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大リーグ(MLB)のオールスター戦で自動ボール・ストライク判定(ABS)システが導入される/Carolyn Kaster/AP

大リーグ(MLB)のオールスター戦で自動ボール・ストライク判定(ABS)システが導入される/Carolyn Kaster/AP

アトランタ(CNN) 米アトランタで15日に開幕する大リーグ(MLB)のオールスター戦を前に、ボールかストライクかの判定を支援するシステムに注目が集まっている。

自動ボール・ストライク判定(ABS)システムは、投手や捕手、打者が球審の判定に異議を申し立てる「チャレンジ」に利用できる。このシステムはマイナーリーグや春のトレーニングで使われていたが、大リーグの試合に導入されるのは初めて。

ABSは試合の流れを一変させてしまう可能性を秘める。人間の審判が設定するストライクゾーンは常に変化が大きく、予想がつきにくかった。

しかし投手陣は、少なくとも現時点ではほとんど気にかけていない様子だった。アメリカン・リーグで先発を務めるデトロイト・タイガースのタリク・スクバルは「自分は使うつもりはない。多分これからも使わないだろう。捕手に任せる」と言い、「自分は審判にボールと言われるまで全部ストライクと思ってしまう傾向がある」と話した。

ナショナル・リーグで先発するピッツバーグ・パイレーツのポール・スキーンズも同じような意見だった。

「投手は全部ストライクのつもりで投げるけれど、あとから見返すとボール2~3個分も外れてる」「だから我々がチャレンジすべきではない。自分は試合の人間的な部分が大好き。これは、審判は素晴らしいと思っていたのに突然そうじゃなくなる、みたいなことだと思う。だから正直、どちらでも構わないかな」

大リーグによると、チャレンジシステムは春のトレーニングと同じルールで使用する。各チームには試合開始時に2回のチャレンジ権が与えられ、そのチャレンジが正しければ回数としてカウントされない。判定にチャレンジできるのは投手、捕手、打者のみ。選手が帽子かヘルメットの上部を2回たたくとシステムが作動する。

このシステムは、12日に行われたマイナーリーグのフューチャーズ・ゲームで導入された。選手が判定にチャレンジすると試合は中断され、スタジアムの右中間側に設置された巨大スクリーンに注目が集まる。

画面には投球のシミュレーションとストライクゾーンが映し出され、ストライクゾーンにボールが入ったかどうかをシステムが判定。短い休憩をはさんで試合が再開される。

ただ、打者ごとにストライクゾーンの大きさをどう決めるのかははっきりしない。ロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショーはその点を指摘した。

「リハビリ登板の時に何度か使った。別にいいと思うし、機能していると思う」「ただ、打者のストライクゾーンのボックスをどう設定しているのかがよく分からない。ストライクゾーンのボックスはテレビ局や配信サービスによってそれぞれ違うから。そこをうまくやってくれることを願う。アーロン・ジャッジとホセ・アルトゥーベでは、ボックスの大きさは違うはずだから。彼らも当然、そこは考えていると思う。それについて大リーグと話したことはないけれど、そこがうまくいきさえすれば面白いだろうと思う」

同システムに関する14日の取材の中で、よく登場したのが「人間的な部分」という言葉だった。

アトランタ・ブレーブス投手のクリス・セールは「正直言うと、自分は人間的な部分が好きかな。ABS(自動ボール・ストライク判定)を使いたい理由は分かるけれど、まだ完璧なシステムだとは思わない」「自分は昔ながらの感覚や、昔ながらのやり方が好きかな」とコメントした。

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