
現在では、チチュウカイモンクアザラシははるかに目立たない存在になっている。主に地中海東部で見つかり、最大の個体群はギリシャやトルコ、キプロスの海岸線や隠れた洞窟に生息する。アフリカ北西部モーリタニア沿岸のカボ・ブランコにも別の個体群が存在している。ギリシャ・モンクアザラシ調査保護協会(MOm)のディミトリ・ツィアカロス氏は、カボ・ブランコでは今でも全てのモンクアザラシが身を寄せ合う大きなコロニーが見られると述べ、「これが古代のモンクアザラシたちが取っていた行動だ」と説明する/A. Karamanlidis/MOm
大きな丸い目を持つ優しい外見のチチュウカイモンクアザラシ。20世紀に個体数が激減し、地球上で最も大きな絶滅の危機にさらされる海洋哺乳類の一つとなっていたが、近年、潮目が変わりつつある。依然として危機にあるものの、保全活動や法律による保護のおかげで、個体数は回復に向かっている