
ギリシャやモーリタニアのような地域では、チチュウカイモンクアザラシは何世紀にもわたる迫害が原因で浜辺を放棄し、目立たない場所にある海洋洞窟を繁殖や休息の場として使うようになった。ただ、かつての習性を少しずつ取り戻し始めている兆しもある。「開けた浜辺での出産や授乳が再び確認されている」とツィアカロス氏は説明。「人間の態度が改善されるにつれアザラシたちも自信を取り戻し、元の行動様式へと戻りつつある」と話す/Thanassis Stavrakis/AP
大きな丸い目を持つ優しい外見のチチュウカイモンクアザラシ。20世紀に個体数が激減し、地球上で最も大きな絶滅の危機にさらされる海洋哺乳類の一つとなっていたが、近年、潮目が変わりつつある。依然として危機にあるものの、保全活動や法律による保護のおかげで、個体数は回復に向かっている