モロッコ地震前に謎の発光現象、過去にも世界各地で観測

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南米エクアドルのグアヤキルで目撃された光/Antonio Lira

南米エクアドルのグアヤキルで目撃された光/Antonio Lira

デール氏の研究チームは地震発光について解明するため、信頼できる地震発光現象の報告に関連した米国と欧州の65回の地震について1600年にまでさかのぼって調べ、2014年に論文を発表した。

それによると、地震発光の約80%はM5.0を超す地震で観測された。ほとんどの場合、地震の直前か揺れている間に、震源から600キロまでの範囲内で目撃されていた。

大きな地震は主に地殻プレートの境界部分やその周辺で発生する。しかしこの研究によれば、発光現象に関連した地震の大多数は、境界ではなく地殻プレートの内側で発生していた。

さらに、地震発光は多くの場合、地殻が引き裂かれて2つの高地の間に細長い低地が形成された地溝帯の近辺で発生していることが分かった。

デール氏の共同研究者で米航空宇宙局(NASA)研究員だったフリードマン・フロイント氏は、地震発光のメカニズムに関して1つの仮説を打ち出している。

フロイント氏によると、岩石の結晶に含まれる不純物は、大地震の前や発生中、岩盤にかかる力が蓄積されるような圧力にさらされると、瞬時に分解して電気を発生させる。

絶縁体である岩石は、圧力がかかると半導体になる。「地震の前に、膨大な量の岩石に圧力がかかり、その圧力が互いに関連した鉱物粒子の変動を引き起こす」「バッテリーのスイッチを入れるように電荷が発生し、圧力がかかった岩石から、圧力がかかっていない岩石へと流れ出す。この電荷は秒速最大200メートル前後の高速で移動する」とフロイント氏は解説している。

ほかにも岩盤の破壊によって静電気が生じるなどの説も提唱されているが、地震発光のメカニズムについて専門家の間で一致した見解はなく、今も解明に向けた研究が続けられている。

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