カタール、米ボーイングから160機購入表明 トランプ氏訪問で
(CNN) カタール政府は14日、カタール航空向けに米ボーイングからジェット機160機を購入する契約を結んだ。カタールを訪問中のトランプ米大統領とカタールのタミム首長が協定に署名した。
トランプ氏によると、協定は2000億ドル(約29兆円)相当で、ジェット機160機の購入が含まれるという。両首脳による署名にはボーイングのケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)も同席した。
今回の受注はボーイングにとって過去最大規模になるとみられる。厳しい経営環境にある同社にとっては大きな恩恵となる。
ボーイングをめぐっては、昨年初めに米アラスカ航空が運用していたボーイング737MAXのドアプラグが飛行中に吹き飛び、機体の壁に穴が開く事故が発生した。これを受けてボーイングの受注は激減し、昨年の受注は前年比60%減の569機にとどまった。
加えて、昨年9月にあった従業員による大規模なストライキも逆風となった。同12月上旬に製造は再開したが、昨年の納入は前年比34%減の348機だった。また、海外製の部品を多く使う同社にとってトランプ氏の関税措置は大きな痛手となっている。
トランプ政権は貿易に関する交渉戦略で、米国最大の輸出企業であるボーイングが注文を獲得できるよう模索したようだ。ラトニック商務長官は先週、英国との貿易協定の一環として英航空会社が100億ドル相当のボーイングのジェット機を購入することに合意したと明らかにした。
米国とカタールは防衛に関する協定を結び、防衛協力の意向を示す声明にも署名した。