沈没タンカーが原油汚染、パリと同等の面積に 東シナ海

沈没したタンカーから流出した原油の油膜がパリに匹敵する広さに

2018.01.20 Sat posted at 16:49 JST

(CNN) 中国東部沖合の東シナ海でパナマ船籍のイランのタンカーが香港船籍の貨物船と衝突し沈没した事故で、中国の国家海洋局は20日までに、流出した原油が4つの油膜を形成し、その広さはパリと同等の約101平方キロに達すると報告した。

この数値は17日時点のもので、今週の最初の日と比べほぼ2倍の規模に拡大した。最大の油膜は広さ48平方キロとなっている。

中国の環境保護活動家によると、衝突した海域は中国で最も豊かな漁場の1つともされる。海流で運ばれる流出原油がこの漁場にどのような悪影響を与えるか監視を続けているとした。

中国政府当局者らは今回の事故が海洋生態系に今後数十年間にわたって影響を与えかねないとも危惧している。

油膜の中を船が通り抜ける様子

同タンカー「サンチ」は1月7日に貨物船と衝突し、1週間炎上した後に沈没。約100万バレル相当の13万6000トンの原油を積み、イランから韓国へ向かっていた。積荷の原油は軽質の「コンデンセート」で航空燃料などに加工される。

原油の海洋流出で問題になる黒い重質の原油と比べ、容易に揮発するという。

タンカーにはイラン人30人とバングラデシュ人2人の乗組員がいたが、全員の生存が絶望視されている。沈没の数時間前に遺体3体が収容されていた。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。