親ロシア派の地方政治家に選挙不正で禁錮刑、重要な議会選迫る中 モルドバ
昨年、グシュル被告はEUから制裁を受けた。モルドバを「不安定化」させ、同自治区で分離主義を助長したとの理由だった。
グシュル氏は不正行為を否定し、訴追は政治的動機によるものだと主張している。3月にはトランプ米大統領宛ての書簡で、自身もトランプ氏と同様に「腐敗したグローバリストのエリートによるプロパガンダ活動と圧力」を受けていると訴えていた。
5日の判決を受け、グシュル被告は控訴する意向を表明した。判決は、サンドゥ氏の政党「行動と連帯(PAS)」以外の政党に「恐れず投票する」ガガウズ自治区民を脅迫する試みだと主張した。
「この判決は正義とは何の関係もない。これは政治的報復に他ならず、上からの命令で計画、実行された」と、グシュル被告はSNSのテレグラムに投稿した。
クレムリン(ロシア大統領府)も5日、判決は政治的動機に基づくものであり、モルドバは組織的に野党を弾圧していると主張した。
モルドバの議会選挙は9月28日に行われる。21年の前回選挙ではサンドゥ氏率いるPASが圧勝したが、モルドバはその後、ロシアのウクライナ侵攻から波及した経済・安全保障上の大きな課題に直面。国内の一部で反政府感情が高まっている。