ガザ住民と共に飢えて力尽きる医師や記者、支援111団体がイスラエルに封鎖解除を要求
(CNN) イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの援助物資運搬を封鎖しているために、医師や支援スタッフの命が危険にさらされているとして、国際支援団体111団体が連名で23日、封鎖の全面的な解除をイスラエルに要求した。
大手報道機関は、到底見過ごせる状態ではなくなったとして、同地に残るフリーランスのジャーナリストを避難させようとしていることを明らかにした。
国際支援団体111団体はイスラエルに対し、ガザに搬入される食料と水と医薬品の流通を全面的に再開させ、停戦に合意するよう求めている。
ガザの援助物資は現在、「完全に枯渇した」状態にあると支援団体は指摘。「自分たちの目の前で衰弱していく同僚やパートナーの姿を目の当たりにしている」と訴えた。
「イスラエル政府の封鎖によってガザの人々は飢え、支援団体の職員も今は食料配給の行列に加わって、自分たちの家族を養うためだけに銃撃される危険にさらされている」。そう指摘する声明には、国境なき医師団、アムネスティ・インターナショナル、ノルウェー難民評議会などが署名している。
これに先立ち西側28カ国の外相もイスラエルを非難する声明を発表していた。米国はこの声明に署名していない。イスラエルは「現実離れしている」と主張してこの声明の内容を拒絶した。
欧州連合(EU)のカヤ・カラス外交安全保障上級代表は22日、X(旧ツイッター)への投稿で「人々の殺害をやめなければならない」とイスラエル軍に迫り、「ガザで援助を求める民間人の殺害に弁明の余地はない」と強調した。
パレスチナ保健省によると、ガザでは過去24時間だけで子ども4人を含む15人が餓死した。
シファ病院のモハマド・アブ・サルミヤ院長は22日、ガザの病院には栄養失調や飢餓状態の患者が次々に運び込まれているとCNNに語った。
飢えで意識を失う医師や職員
人道支援団体の23日の声明では、米国とイスラエルを後ろ盾とするガザ人道財団(GHF)も批判。同財団の食料配給所では連日のように銃撃が起きていると指摘した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は別の声明で、食料を求めることは「爆撃と同じくらい危険になった」と述べ、GHFによる食料配給を「加虐的な死の罠(わな)」と形容。「狙撃兵がまるで殺しのライセンスを与えられたかのように、集まった人たちをを無差別に銃撃している」と訴えた。
さらに、医師や看護師、ジャーナリスト、人道支援職員なども「職務をこなしながら飢えと疲労のために気を失いかけている」と伝えている。
国連人権高等弁務官事務所によると、ガザで食料を調達しようとして死亡した人は7月21日までに1054人に上る。うち766人がGHFの食料配給所付近で、288人は国連など人道支援団体の援助車列付近で死亡した。