ガザ配給所に殺到した住民、20人死亡 群衆閉じ込め催涙スプレー噴射と目撃者証言
(CNN) イスラエルと米国が主導するガザ人道財団(GHF)は16日、同財団が運営するパレスチナ自治区ガザの援助物資配給所で群衆雪崩が起き、少なくとも20人が死亡したと発表した。配給所で死者が出たことを同財団が認めたのは初めて。
GHFによると、配給所に集まった人たちが「群衆の中の扇動者にあおられて」混乱状態に陥り、19人が踏みつけられて死亡、1人は刃物で刺されて死亡した。
「武装した(イスラム組織)ハマスの関係者」が故意に混乱をあおったとGHFは主張。「運営開始以来初めて、GHF職員が群衆の中に複数の銃器を発見し、そのうち1丁を押収した」としている。
これに対してハマス側は、責任はGHFにあると反論。GHFがガザ南部ハンユニスの配給所で援助物資を受け取るよう住民に呼びかけ、「狭い鉄の回廊に数千人の飢えた人々を追い込んだ後に、鉄製のゲートを閉ざした」と主張している。
パレスチナ保健省によると、死者は21人で、うち15人は窒息死だった。援助を待つ群衆に向かって催涙弾が発射されたため、押し合いになって倒れたという。残る6人はイスラエル軍に上半身を撃たれたとしている。

GHFと契約している民間警備会社のメンバーが、支援物資を求めて配給所に集まったパレスチナ人に指示を出す様子=6月8日/Eyad Baba/AFP/Getty Images
目撃者の男性はCNNの取材に対し、「援助物資を取りに走っていた」ところ、「目の前で米国人がゲートを閉めた」と証言。「開いた小さなゲートを抜けると、彼らが私たちに催涙スプレーを噴射した。たくさんの人が窒息して、人々に踏みつけられた。床に倒れた人は全員が死亡した」と語った。
別の目撃者も「米国人」がゲートを閉めるのを見て、人々がそちらへ向かって走り始めたと訴える。「米国人はこれを見るとゲートを開き、私たちに催涙スプレーを噴射した」といい、人々は折り重なって倒れ、窒息死したと話している。