カメルーン大統領、100歳直前までの権力維持目指す 10月の大統領選に出馬へ

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カメルーンのビヤ大統領が、92歳での大統領選再出馬を表明した/Kevin Dietsch/Getty Images

カメルーンのビヤ大統領が、92歳での大統領選再出馬を表明した/Kevin Dietsch/Getty Images

(CNN) カメルーンの92歳のポール・ビヤ大統領は、アフリカ中央部にある同国を43年近くにわたり強固に支配してきた。既に次の大統領選に出馬する意向を示しており、再選されれば100歳の誕生日の直前まで政権の座を維持することになる。

7期目の任期も残りわずかとなったビヤ氏は、13日の声明で「まだやることがたくさんある」「最高の時はこれから訪れる」と強調した。

ビヤ氏は10月に予定されている大統領選挙に臨み、さらに7年の任期を得ようとしている。同氏を巡っては健康状態が悪化しているとの報道が出ている。政権維持延長の決断について、ビヤ氏は「わが国の10の州と国外移住者らからの緊急の要請に基づく 」と説明した。

今回の発表に先立つ数カ月間、ビヤ氏のオフィスは同氏の体調不良や死亡の臆測の否定に動いていた。本人が長らく表舞台から姿を消していたことが背景にある。

その後、内務省はビヤ氏の健康についてメディアが取り上げることを禁止した。国家安全保障上の問題だというのがその理由だった。

カメルーンでは何年もの間、ビヤ氏の健康状態や所在にまつわる噂(うわさ)が大きな話題となってきた。それでもビヤ氏は何度も再選を勝ち取り、地滑り的な勝利を収めたこともある。

ビヤ氏が政権の座に就いたのは1982年。以後40年以上にわたって政権を維持し、君主を除けば世界で最も長く国家元首を務めた人物の一人となった。60年代初頭にフランスと英国から独立して以来、カメルーンを率いた大統領は同氏を含めてまだ2人しかいない。

ビヤ氏が8期目の任期を目指すかどうかについては、多くの地域の指導者たちが新たな信任を求めるよう促しており、疑問の声が渦巻いている。しかし同氏の盟友の何人かは政権を去り、自ら大統領選に打って出ている。

ドイツ在住の政治アナリスト、コリンズ・モルア・イコメ氏によれば、ビヤ氏を選挙で破るのは容易ではない。

イコメ氏はCNNの取材に対し、カメルーンの野党は300以上の政党で構成されているが、10月の大統領選でビヤ氏率いる与党カメルーン人民民主運動(CPDM)を追い落とすにはあまりにも分断されていると語った。ビヤ氏に脅威を与えるには、連立を組む以外にないという。

昨年3月、二つの野党が連立を組もうとした計画は内務省によって違法とされた。この動きについて国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、「野党や反対派に対する政府の弾圧の一環」と評している。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、ビヤ氏の長期にわたる統治は、人権侵害の告発が広範囲に行われてきたことで知られる。具体的には「超法規的処刑、恣意(しい)的逮捕、不法拘留、拷問、不公正な裁判、性的指向や性自認を理由とする迫害や投獄」などが含まれる。

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