イスラエル軍、15歳のパレスチナ少年を射殺 激しさ増す入植者の住民襲撃 ヨルダン川西岸

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イスラエル人入植者による襲撃で死傷者、ヨルダン川西岸

エルサレム(CNN) イスラエル軍が25日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でパレスチナ人の15歳少年を射殺した。同地ではイスラエル軍や入植者によるパレスチナ住民襲撃が激しさを増し、死傷者が増え続けている。

パレスチナの保健当局によると、15歳のラヤン・タメル・ハウシヤさんはイスラエル軍に首を撃たれて死亡した。イスラエル軍はこの日、ヨルダン川西岸北部にあるジェニン近郊のヤムーンを襲撃。現地の住民は「イスラエルの激しい銃撃」があったと証言している。

イスラエル軍は、ヤムーンで同日「テロリストが部隊に対して爆弾を投げつけた」と発表し、イスラエル兵の負傷者は報告されていないとした。

地元メディアの報道によると、イスラエルが占領する東エルサレムでも、66歳のパレスチナ人女性がイスラエル警察に頭部を撃たれて死亡した。パレスチナのWAFA通信は、難民キャンプがイスラエルに襲撃され、ザヒア・ジュデ・オベイディさんが亡くなったと伝えている。

イスラエル警察は「東エルサレムの住民」が死亡した状況について捜査に乗り出したと述べ、この住民は駆け付けた医療関係者が死亡を確認したと言い添えた。

ヨルダン川西岸中部の町カフルマリクでは、イスラエル人入植者がパレスチナ人の住宅や車両に放火するなどの襲撃が相次ぎ、パレスチナとイスラエルの当局によれば、複数の死傷者が出た。

カフルマリクで死者が出た状況についてパレスチナ外務省は、イスラエル人入植者がパレスチナ人住民を銃撃したと述べている。これに対してイスラエル当局は、パレスチナの武装集団とイスラエルの治安部隊の間で銃撃戦があったと説明した。

イスラエルはヨルダン川西岸で軍事作戦を強化しており、戦闘員が活動していると称して数千人のパレスチナ人を避難させ、集落を壊滅させている。

国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは、イスラエルが国際法に違反して「故意にパレスチナの民間人を集団避難させ、同地の大部分を生存不可能な状態にした」として非難した。

国連人権高等弁務官事務所によると、イスラエル人入植者によるパレスチナ人の集落や器物に対する襲撃は激化している。

国連の報告によれば、2023年10月7日から25年6月12日の間にイスラエル軍や入植者がヨルダン川西岸(東エルサレムを含む)で殺害したパレスチナ人は少なくとも947人に上り、うち200人は子どもだった。一方、イスラエル政府によると、23年10月7日から25年6月26日の間にヨルダン川西岸でイスラエルの民間人少なくとも39人が殺害された。

イスラエルは1967年にヨルダンからヨルダン川西岸を奪い、今も占領を続けている。今年5月末にイスラエル政府は、同地で数十年ぶりとなる大規模なユダヤ人入植地の拡張を承認した。こうした入植は国際法違反とみなされている。

SNSに投稿されたカフルマリクの映像では、住宅が燃え、遠くで銃声が鳴り響く中で住民がパニックに陥っていた。別の映像には、駐車中に炎上した車に住民が水をかけて消火しようとする様子が映っていた。

イスラエル軍は、「イスラエルの民間人数十人」が住宅などに放火したことを受け、治安部隊を現場に派遣したと説明。部隊が到着したところ、「テロリスト」から銃撃や投石を受けたために反撃したと主張している。イスラエル人は5人が逮捕されたと付け加えた。

国連当局者は、ヨルダン川西岸の難民に対して避難を強要するイスラエルの行為は国際法違反に当たると指摘した。

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