進水失敗の北朝鮮駆逐艦、修復にロシアが関与か 国境付近に移動

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羅津港に入った北朝鮮の新型駆逐艦の衛星画像/Maxar

羅津港に入った北朝鮮の新型駆逐艦の衛星画像/Maxar

ソウル(CNN) 北朝鮮が、進水に失敗して損傷した新型駆逐艦をロシア国境付近の港に移動させたことがわかった。専門家によれば、今回の動きは、駆逐艦の修復にロシアが関与した可能性があることを示唆している。

マクサー・テクノロジーズが8日に撮影した衛星画像には、北朝鮮の羅先経済特区にある羅津(ラジン)港の乾ドックに入った駆逐艦が捉えられている。同経済特区はロシア国境に隣接する位置にある。

羅津の造船所は、事故が発生した清津の造船所ほど大規模な施設ではないが、小規模な修理や保守管理のための施設を備えている。韓国国防研究院の研究員が明らかにした。ロシアに近いことから、北朝鮮がロシアと経済的な関係や、潜在的には軍事的な関係を深める取り組みにとって重要な拠点となっているという。

米陸軍士官学校の現代戦争研究所がまとめた2024年の報告書によれば、羅先経済特区は、北朝鮮とロシアの協力のための重要な拠点であり、ウクライナで使用するため北朝鮮の兵器がロシアに輸送されたことが示唆された。

新型の駆逐艦は5月21日、進水時に船尾が水中に沈んだものの、艦首は陸に残ったままとなり、横倒しとなった。

進水式に出席していた金正恩(キムジョンウン)総書記は駆逐艦を6月下旬に開催される朝鮮労働党中央委員会総会までに修復するよう命令。国家の名誉がかかっているとの認識を示していた。

北朝鮮国営メディアは先に、羅津での修理には7日から10日かかるとし、金総書記の示した期限に間に合うと伝えた。

韓国の退役海軍大将は9日、修理にかかる時間は駆逐艦の損傷の状況次第だと語った。船首の位置にあるソナーや深度計が進水失敗の際に損傷した可能性がある。こうした損傷の修復には外国からの援助が必要となる可能性が高い。「北朝鮮はソナーシステムの技術を保有していないと考えられているため、中国かロシアから輸入した可能性が高い」

韓国の議員によれば、韓国軍は北朝鮮のソナーが損傷した可能性は比較的低いとみている。韓国軍の評価によれば、艦艇の外部的な損傷はひどくないようで、主な問題は船内への浸水だという。

専門家によれば、修理の過程では船内の空間だけでなく、機械や電子機器からも海水と乾いた塩を除去する必要がある。ロシアが修理を支援した可能性はあるものの、主要な機器類の移動ではなく技術者だけの支援だった場合、その真偽を検証することは難しいという。

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