北朝鮮、1年間でロシアに兵士1万4000人派遣 弾道ミサイル100発も供与と国際団体報告書

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昨年6月のプーチン大統領の訪朝時、歓迎式典で掲げられた両国首脳の肖像画/Gavriil Grigorov/AFP/POOL/Getty Images

昨年6月のプーチン大統領の訪朝時、歓迎式典で掲げられた両国首脳の肖像画/Gavriil Grigorov/AFP/POOL/Getty Images

(CNN) 国際的な監視団体が公表した新たな報告書によると、北朝鮮は過去1年間で兵士1万4000人をロシアに派遣した。ミサイルとロケット弾を含む弾薬は数百万発を供与。3年以上に及びウクライナを侵攻するロシアに対し、北朝鮮政府が実施してきた支援の実態が明らかになった。

報告書は11の国連加盟国で構成する多国間制裁監視チーム(MSMT)が29日に公表した。ロシアによるウクライナ侵攻の開始以降、北朝鮮から送られた戦力の驚くべき規模を明らかにする内容だ。

それによれば昨年は最大で900万発の砲弾・銃弾がロシアに供与された。派遣された兵士の数は1万1000人以上で、今年初めにはさらに3000人が追加されている。複数のロケットランチャーや車両、自走砲などの重火器、少なくとも100発の弾道ミサイルもここに含まれる。これらのミサイルは「ウクライナに撃ち込まれて民間インフラを破壊。キーウやザポリージャといった人口密集地域に恐怖をもたらした」と報告書は伝える。

一方のロシアは北朝鮮に対し、多様かつ貴重な武器や技術を提供。報告書は防空設備や対空ミサイル、電子戦システム、精製油などの提供に言及している。

ロシアはこの他、北朝鮮の弾道ミサイルに関するデータも収集・提供し、性能の向上を支援したという。北朝鮮による弾道ミサイル開発は、国連安保理決議で禁止されている。

今回の報告書の内容はMSMT構成国の他、英国に拠点を置く非営利団体、オープン・ソース・センター(OSC)、同じく英国の調査団体、紛争兵器研究所(CAR)から寄せられた証拠にも基づいている。ロシアと北朝鮮の武器や装備品のやり取りは国連による武器禁輸に対する違反行為だが、両国の軍事協力は「少なくとも当面は」継続する公算が大きいと報告書は付け加えた。

ロシアのプーチン大統領は4月、北朝鮮兵士がロシア・クルスク州の奪還作戦に参加したことを初めて認めた。同州は昨夏、ウクライナ軍による越境攻撃を受けていた。

北朝鮮も4月、現地での自国兵士の存在を初めて認めている。

両国とも北朝鮮からロシアへの武器の供与は否定しているが、これについては有力な証拠が存在する。昨年結んだ防衛協定の一環として、両国はいずれかの国が攻撃を受けた場合にはあらゆる措置を講じて相手側に即時の軍事支援を提供すると約束している。

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