赤ちゃんの名前に「キング」認めず、11件の申請を拒絶 ニュージーランド
(CNN) どうやらニュージーランドに住む一部の親たちに、メッセージは伝わっていないようだ。国の戸籍長官が拒絶した赤ちゃんの名前のリストで、またしても「キング」がトップに躍り出た。
「王」を意味する「キング」は、2023年まで14年連続で禁じられた赤ちゃんの名前の筆頭だった。この年キングに取って代わった「プリンス(王子)」は、最新の禁止リストでも2位につけている。
「デューク」や「マジェスティー」、「エンペラー」など、他の威厳を帯びた名前もニュージーランドでは認められていない。同国は厳格な戸籍法に基づき、出生名を管理している。
昨年ニュージーランドで出された出生届は6万件。届け出のあった出生名のうち38件が拒絶された。内務省の顧問からの書簡で明らかになった。
同国の戸籍法では、赤ちゃんの名前は侮辱的であってはならず、不合理に長いものや数字、記号を含むものも認められない。「十分な正当化ができなければ」、公式な称号に似た名前も命名不可となる。
ニュージーランドは英連邦の一部であり、英チャールズ国王を国家元首とする立憲君主制国家だ。子どもの名前を「キング」で申請した11組の親たちがチャールズ国王を念頭に置いていたかは不明だが、これらの親たちは全員名前の再考を求められた。前出の内務省顧問が明らかにした。
ちなみに米社会保障局によると、昨年米国で「キング」と命名された赤ちゃんの数は1000人を超える。
ニュージーランドでは「キング」に続き「プリンス」が10件、「プリンセス」が4件、それぞれ不受理となった。またアルファベットの表記で見ると、「Kingi」や「Kingz」、「Prinz」、「Prynce」といった名前も受理されていないことから、当局は受理と不受理を判断する際、発音された場合に当該の名前がどのように聞こえるかも考慮に入れていると考えられる。
新生児につける名前を法律で規制している国はニュージーランドだけではない。
15年、フランス北部の裁判所は、親がチョコレート風味のスプレッド「ヌテラ」を子どもの名前にするのを認めない判断を下した。屈辱を味わう恐れがあるというのがその理由だった。
スウェーデンにも命名に関する法律があり、過去には子どもに「スーパーマン」、「メタリカ」といった名前をつけようとする試みを拒絶してきた。