3月1日にナワリヌイ氏葬儀、妻は参列者の逮捕を懸念

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欧州議会で演説するアレクセイ・ナワリヌイ氏の妻ユリア・ナワルナヤ氏=28日、フランス・ストラスブール/Johanna Geron/Reuters via CNN Newsource

欧州議会で演説するアレクセイ・ナワリヌイ氏の妻ユリア・ナワルナヤ氏=28日、フランス・ストラスブール/Johanna Geron/Reuters via CNN Newsource

(CNN) ロシアの刑務所で死亡した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻、ユリア・ナワルナヤ氏は28日、モスクワで3月1日に営まれることが決まったナワリヌイ氏の葬儀について、参列者が警察に弾圧されることを懸念していると語った。

ナワルナヤ氏は28日、フランス・ストラスブールの欧州議会で演説した。これに先立ちナワリヌイ氏の側近は葬儀の予定を発表していた。

「アレクセイ殺害以来の12日間で、この演説の準備する時間はあるだろうと思った。しかしアレクセイの遺体の受け取りと葬儀の手配に1週間を費やし、その後私が墓地と棺(ひつぎ)を選んだ」。ナワルナヤ氏はそう語り、葬儀については「平穏に営まれるのか、あるいは夫に別れを告げに来た人たちを警察が逮捕するのかどうか、まだ分からない」と言い添えた。

人権監視団体のOVDインフォによると、ロシア国内の32都市で開かれたナワリヌイ氏の追悼集会で、これまでに400人以上が拘束されている。

ナワリヌイ氏の広報担当者は、同氏が住んでいたモスクワのマリノ地区にあるボリソフ墓地で葬儀が営まれることを確認した。教会で現地時間の3月1日午後2時から葬儀を営む予定で、参列者は早めに到着するよう呼びかけている。

側近は死の直後から葬儀の会場となる教会探しを始めたが、多くの会場に拒まれたと訴えていた。ナワリヌイ氏が設立した反腐敗財団のイワン・ジダーノフ代表は28日、「どこへ行っても何も提供できないと拒まれた。禁止に直接言及したところもあった」とX(旧ツイッター)に書き込み、「その意味については気にかけない。アレクセイは埋葬する必要がある」と強調した。

「退屈な」制裁はいらない

欧州議会で演説したナワルナヤ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と闘うためには夫の革新的なやり方から学ぶ必要があると訴えた。

ロシアのウクライナ侵攻から数カ月の間、世界は「競ってウクライナを支援した」が、2年が過ぎても「多大な消耗、多大な流血、多大な失望」が続き、プーチン大統領は揺らいでいないとナワルナヤ氏は指摘。「既にあらゆるものが使われた。兵器、資金、制裁。何の効果もない。そして最悪の事態が起きている。誰もが戦争に慣れてしまい、『とにかくプーチンと合意しなければ』と言い始めた人もいる」とした。

その上で、何年もかけてロシアの不正を暴いた夫のナワリヌイ氏は、プーチン氏に弱点がないわけではないことを見せつけたと主張、「これがその答えだ。もし本当にプーチンを打ち負かしたいのであれば、革新者になる必要がある。退屈な存在であることをやめなければならない。前回と何も変わらない決議や制裁を繰り返しても、プーチンを傷つけることはできない」と力を込めた。

欧州の政治家はプーチン氏の「友人、取り巻き、マフィア資金の保持者」を追及すべきだとナワルナヤ氏は訴え、標準的な「政治競争」ではなく「組織犯罪と戦う手段」を用いる必要があると力説。「外交文書ではなく資金陰謀の捜査を。懸念表明ではなく、あなた方の国でプーチンとその友人の金隠しに加担している弁護士や金融業者探しを」と呼びかけた。

「夫が未来の美しいロシアの姿を見ることはない。だが我々は見なければならない。私は夫の夢をかなえるために全力を尽くす。悪は滅び、美しい未来が来る」。ナワルナヤ氏はそう語った。

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