セクハラ被害の原因は「華美な服装や媚びる態度」、中学教材に批判 中国

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中国の「#MeToo」運動のシンボルともなっている周暁璇さんの支持者=2020年12月、中国・北京/Noel Celis/AFP/Getty Images/File

中国の「#MeToo」運動のシンボルともなっている周暁璇さんの支持者=2020年12月、中国・北京/Noel Celis/AFP/Getty Images/File

(CNN) 中国南部・広東省の中学校が授業で使ったセクシュアルハラスメントに関する教材をめぐり、被害者を責める内容に対してネット上で批判が噴出した。

中国国営の人民日報によると、問題となっているのは広東省肇慶市の中学校が性教育にあたる「精神衛生教育」の授業で昨年使った教材。今月に入ってこの教材の写真がネット上に出回った。

教材では、セクハラの被害に遭う原因は「華美な服装やこびるような態度」にあると断言。「女子は透ける服や露出度の高い服を着てはいけない。うわついた言動は慎むべき」としていた。

これに対してSNSでは反発の声が巻き起こり、多くは保守的な姿勢を批判。そうした姿勢は男性中心社会に根深く浸透したジェンダーの不平等を反映していると指摘した。

「このクラスの教員が問題だ」という微博(ウェイボー)のコメントには1万9000の「いいね」が付いた。被害者を責めることの危険性を指摘する投稿や、女性は服装に関係なく被害に遭うと指摘する投稿もあった。

騒ぎが大きくなったことを受けて地元の教育局は先週、声明を発表し、写真に写っていた教材が昨年4月にこの学校の授業で使われたものだったことを確認した。

「この授業に不適切な表現が含まれており、それが(ネットユーザーの間で)誤解を招いた」と声明は述べ、地元の教育局が「関係者を批判し、教育した」と説明。この学校に対し、授業内容を見直して教員研修を向上させるよう指示したとしている。

しかしこの声明も批判の的になった。ユーザーの多くは「誤解」という文言を問題視し、この教材は罪のない誤りではなく、中国で真に蔓延(まんえん)している考え方の表れだと指摘している。

中国では過去に何度も同じような論議が巻き起こっている。

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