サウジ皇太子、カショギ氏殺害事件でバイデン氏に「反論」

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米国のバイデン大統領(左)とサウジアラビアのムハンマド皇太子=15日、サウジアラビア・ジッダ/Bandar Algaloud/Courtesy of Saudi Royal Court/Handout/Reuters

米国のバイデン大統領(左)とサウジアラビアのムハンマド皇太子=15日、サウジアラビア・ジッダ/Bandar Algaloud/Courtesy of Saudi Royal Court/Handout/Reuters

(CNN) サウジアラビアの事実上の支配者であるムハンマド皇太子がバイデン米大統領との首脳会談で、2018年のサウジ人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害事件を突きつけたバイデン氏に反論していたことがわかった。

ムハンマド皇太子は15日の会談で、同国の在イスタンブール総領事館でのカショギ氏殺害の責任を否定した。一方、バイデン氏は米国の情報機関の評価に基づいて、意見が一致しないとの考えを示したという。

バイデン氏がカショギ氏殺害事件を持ち出したのに対し、ムハンマド皇太子はイラクのアブグレイブ刑務所での米軍兵士による囚人への性的・身体的虐待や、5月にヨルダン川西岸地区でパレスチナ系米国人ジャーナリスト、シリン・アブアクレ氏が殺害されたことを米国の非として挙げたという。サウジのファイサル外相が記者団に明らかにした。

ファイサル外相は「皇太子はバイデン大統領のカショギ氏についての発言に応答した。この犯罪は非常に残念で忌まわしいものだが、サウジアラビアは真剣に受け止め、責任ある国としての立場に見合った行動をとった」と述べた。

ファイサル外相はまた「これらは米国を含むどの国でも起こる問題であり、間違いだ。皇太子は、米国も過ちを犯し、サウジと同様、関係する者の責任を追及してこれらの過ちに対処するために必要な行動をとってきたことを指摘した」と説明した。

サウジのジュベイル外務担当国務相は、自身も参加した会談終了直後のCNNとのインタビューでカショギ氏殺害事件について「我々は調査し、罰し、このようなことが二度と起こらないようにした」と述べた。「これは各国が行っていることだ。アブグレイブという過ちがあったときに米国がしたことだ」と指摘した。

アブグレイブ刑務所は2003年の米国のイラク侵攻開始から06年に閉鎖されるまで捕虜となったイラク人を収容していた米軍の施設だ。04年にこの刑務所から米軍兵士によるイラク人捕虜への拷問や性的虐待をとらえた多くの画像が流出した。このスキャンダルに関連する犯罪で米軍兵士11人が有罪判決を受けた。

一方、アルジャジーラの著名なジャーナリスト、アブアクレ氏はヨルダン川西岸の占領下にあるジェニンでイスラエル軍の襲撃を受け、銃弾に倒れた。

アブアクレ氏は、イスラエルの占領下にあるパレスチナ人の苦しみを数十年にわたって報道し、アラブ世界では有名な存在だった。CNNが入手し、8人の目撃者や音声分析者、爆発物専門家の証言によって裏付けられた映像では、アブアクレ氏は殺害時に「報道」と書かれたヘルメットと青い防護ベストを着用しており、イスラエル軍による狙いを定めた攻撃で射殺された。

バイデン氏は15日にヨルダン川西岸で、アブアクレ氏の死は「巨大な損失」だとし、米国はアブアクレ氏の殺害について「完全かつ透明性のある説明」をするよう主張していると述べた。

だがパレスチナ政府関係者とアブアクレ氏の遺族は米国の調査を批判し、アブアクレ氏殺害に対するイスラエルの責任をさらに追及するよう要求している。

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