ニュージーランド、感染者1人確認で全国ロックダウン デルタ株の疑い
(CNN) ニュージーランドのアーダーン首相は17日、国内で新型コロナウイルスの感染者が約半年ぶりに1人確認されたとして、全国で感染警戒レベルを最上位の「4」に引き上げ、ロックダウン(都市封鎖)措置を導入すると発表した。
アーダーン氏によると、検出されたウイルスのゲノム解析はまだ完了していないが、感染力の強いデルタ株と推定される。
保健省のブルームフィールド長官によれば、最大都市オークランドに住むワクチン未接種の58歳の男性が検査で陽性反応を示した。男性は最近、同じ北島のコロマンデル半島を訪れた旅行歴があり、国境とのかかわりが判明している。
アーダーン氏は、17日午後11時59分から3日間、全国にレベル4の警戒態勢を敷くと宣言した。市民の外出を禁止し、必需品を扱うスーパーや薬局以外の店舗を閉鎖する。同国でレベル4が適用されるのは1年ぶり。オークランドとコロマンデル半島では1週間継続する可能性が高い。
アーダーン氏は会見で、これまでデルタ株が見つかっていなかったのは世界でもまれなケースだと指摘。ニュージーランドは諸外国の経験から、どんな対策に効果があって何が無効かを学べる立場にあると強調した。
さらに「デルタ株は(感染の流れを変える)ゲームチェンジャーと呼ばれてきたし、実際にその通りだ。ということはつまり、拡大を食い止めるには強く、素早く行動する必要がある。制圧できなければどうなるか、私たちはすでに外国の状況を見てきた。チャンスは1度だけだ」と訴えた。
同国はこれまで厳しい国境管理で感染拡大を抑え、市民はほぼ通常の生活に戻っていた。ただしCNNの集計によると、ワクチン接種を完了した人は人口の2割未満にとどまっている。