イタリアの死者1万人超す、高い致死率も102歳女性は回復
ローマ(CNN) イタリア当局は28日、新型コロナウイルス感染による死者が1万人を超えたことを明らかにした。一方、北部ジェノバでは102歳の女性が回復したとの報告もある。
同国の市民保護局によると、新型ウイルス感染による死者は27日発表の9134人から1日で889人増え、1万23人に達した。28日までに9万2472人の感染が確認されている。
米ジョンズホプキンス大学の集計に基づき他国と比較すると、中国では8万1997人の感染が確認されたが死者はイタリアの約3分の1の3299人。中国とイタリアを抜いて感染者数が世界最多の9万2472人に達した米国での死者は1700人余りと、さらに少ない。
イタリアではこの1カ月半、厳しい外出規制措置が取られてきたが、それでも死者は増え続けている。同国で致死率が高い理由について、専門家らは複数の要因があるとの見方を示す。
患者が集中する北部ロンバルディア州でミラノ・サッカ病院の感染症部門を率いるマッシモ・ガッリ氏によると、同国では現在、重症患者だけを検査しているため、実際の感染者は確認された人数よりずっと多く、これが見かけ上の致死率を押し上げている可能性がある。
同州で1日に実施される検査は約5000件。医療従事者の防護具が足りず、必要な件数をはるかに下回っているという。
日本に次いで高いイタリアの高齢化率も要因のひとつに挙げられる。新型ウイルスは高齢者の重症化リスクが高く、同国の死者の平均年齢は78歳だ。
そんななか、ジェノバで20日以上前に入院していたイタリカ・グロンドーナさん(102)が無事に回復。担当医はCNNとのインタビューで、「高齢者の希望の星だ」と語った。